VR内見で新居を疑似体験！メリットと活用法

近年、引越し準備の段階で注目を集めているのが「VR内見（バーチャル内見）」です。

従来の写真や動画とは異なり、360度の視点で部屋を自由に見渡せるため、実際に現地を訪れなくても「住む感覚」を具体的にイメージできます。

特に、忙しい社会人や遠方への転居を検討している人にとって、時間と移動の負担を大幅に減らせる革新的な方法です。

ここでは、VR内見の仕組みからメリット・注意点・効果的な活用法までを詳しく解説します。

【1】VR内見とは？

VR内見（Virtual Reality 内見）とは、360度カメラで撮影された室内画像や3Dスキャンデータをもとに、

スマートフォン・パソコン・VRゴーグル上で自由に部屋を歩き回れる「仮想内見」サービスのことです。

主な形式：

• 360°画像型： 各部屋を自由に見回せる（静止画像ベース）
• 3Dウォークスルー型： 室内を実際に歩くように移動できる（Matterportなど）
• VRゴーグル型： 専用ゴーグルで没入体験（よりリアルな感覚）

これらを利用すれば、まるでその場に立っているかのように、天井の高さ、家具の配置、窓の位置、光の入り方まで確認できます。

【2】引越し準備でのVR活用の応用法

● 家具配置シミュレーションに活用

VR上で間取りを把握しておけば、家具のサイズやレイアウトを事前に計算できます。

例えば、「ソファとテレビの距離」「ベッドの搬入経路」などを実際にシミュレーションできるため、無駄な購入や配置ミスを防げます。

● 荷物搬入計画の立案

VR画面で通路やドア幅を確認しておけば、大型家電・家具の搬入経路を事前に検討可能です。引越し業者との打ち合わせもスムーズになります。

● 内見比較表と組み合わせて効率化

複数物件をVRで見たら、スプレッドシートなどに「明るさ・収納量・設備・動線の良さ」を一覧化。視覚的な印象だけでなく、数値や感覚を記録して比較するのがポイントです。

ステップ①：VR内見対応の物件を探す

VR内見を最大限に活用するための第一歩は、「VR内見に対応している物件を見つけること」です。

すべての賃貸・売買物件がVR対応しているわけではなく、対応状況は不動産サイトや管理会社によって異なります。

ここでは、効率よくVR対応物件を探すための具体的な方法とチェックポイントを詳しく解説します。

【1】VR対応物件の探し方の基本

VR内見に対応している物件は、一般的に以下のようなキーワードやアイコンで表示されています。

物件検索ページでこれらのアイコンが付いているものが、VR内見対応物件です。

多くの不動産サイトでは、検索条件の絞り込み項目にも「VR内見」や「パノラマ画像対応」というチェック欄があります。

これを選択して検索することで、効率よく候補を絞り込めます。

【2】主要な不動産サイト別 VR対応状況

VR内見を利用できる主要サイトの特徴を比較してみましょう。

サイト名	VR／360°対応名称	特徴
SUUMO（スーモ）	「360°パノラマ」	多くの物件で対応。部屋の各方向を見渡せる。間取りとリンクした表示が分かりやすい。
HOME’S（ホームズ）	「VR内見」	スマホでもスムーズに操作できる。家具配置付きの仮想ルームもあり。
アットホーム	「バーチャル内見」	不動産会社によっては3Dウォークスルー型も採用。
Yahoo!不動産	「パノラマ画像あり」	主要エリアの新築・リノベ物件に多い。
三井のリハウス・大東建託などの自社サイト	「3Dルームビュー」など独自名称	売買物件・新築物件中心。完成前物件の疑似体験も可能。

【3】VR非対応物件でも“代理内見”が可能な場合

VRデータがない物件でも、最近は不動産会社が「ビデオ通話でオンライン内見」に対応していることがあります。

この方法を活用すれば、VR未対応物件でも「実質VR内見」に近い体験ができます。問い合わせ時に「オンライン内見対応可能か」を確認すると良いでしょう。

【4】VR対応物件を探すときのチェックリスト

チェック項目	内容
□ サイトに「360°」「VR」「パノラマ」などの表記があるか	対応物件を見つけやすいキーワードを確認
□ スマホでも操作できるか	360°操作やウォークスルーがスムーズに動作するか確認
□ 間取り図との連動があるか	各部屋を切り替えながら見られるタイプが理想
□ 撮影日や掲載日が明記されているか	古いデータだと現況と異なる場合がある
□ 家具付きモデルルームか現状撮影か	モデル撮影だと実際の空間感と異なることがある

このチェックを事前に行うことで、「実際に住んだときのイメージ」と「VR上の印象」のズレを防げます。

【5】不動産会社にVR内見をリクエストする方法

気になる物件がVR未対応でも、希望すれば追加撮影を行ってくれるケースもあります。

【6】VR内見物件を選ぶ際の注意点

VR対応物件は便利ですが、撮影アングルや照明環境により印象が変わることもあるため、

以下の点を必ず確認しましょう。

• 撮影時期が古くないか（改装前の可能性も）
• 撮影用広角レンズで実際より広く見えないか
• 日当たり・通風・音環境などは現地見学で最終確認する

ステップ②：スマホやPCで内見を体験する

VR内見対応の物件を見つけたら、次はいよいよスマホやPCを使って実際に内見を体験する段階です。

ここでは、VR内見を「単なる映像視聴」で終わらせず、生活をリアルに想像できる体験”に変えるための具体的な方法とチェックポイントを詳しく解説します。

【1】基本操作を理解する

VR内見は、特別な機器がなくてもスマホ・PCのブラウザ上で操作可能です。
操作方法を知っておくと、見落としが減り、実際に住んだときの動線や空間感覚を正確につかめます。

スマホの場合：

• 画面をスワイプ（指でなぞる）して視点を360°回転
• 画面をタップして次の部屋に移動
• ピンチイン／アウトでズーム調整
• 端末を傾けて「首を動かすように」見回せる機能も

PCの場合：

• マウスでドラッグ → 視点を移動
• クリックで移動（ドア・廊下などの矢印をクリック）
• スクロールで拡大・縮小
• 部屋名リストや間取り図からワンクリックで移動可能

【2】「間取りの流れ」を意識して見る

写真内見と違い、VR内見では生活動線（どう動くか）を再現できるのが最大の特徴です。部屋単体ではなく、「玄関→廊下→リビング→寝室→洗面所→ベランダ」という順序で体験しましょう。

【3】360°視点で「空間感覚」をつかむ

VR内見の最大のメリットは、奥行き・高さ・開放感がリアルに把握できることです。
静止写真では分からない部分を重点的にチェックしましょう。

【4】間取り図・平面図とリンクさせて確認

VR画面と間取り図を併用すると、“立体＋平面”の両方から把握でき、より精度が上がります。

活用の流れ：

1. 不動産サイトの間取り図を別タブまたは紙に表示
2. VR内見で部屋を移動しながら、間取り図の位置を照らし合わせる
3. 「動線」「部屋の向き」「窓の数」「収納の位置」をマークして整理

【5】家具・家電の配置をイメージしながら体験

VR内見中に、自分の生活スタイルを重ねて想像することが重要です。
具体的な確認の仕方：

• ベッド・ソファ・冷蔵庫を置いたときに通路が確保できるか
• 照明・コンセントの位置と家具の干渉有無
• カーテンサイズが合いそうか（窓幅の目安）
• 掃除しにくそうな角や段差の有無

【6】時間帯や光の方向も確認する

VR内見の多くは昼間に撮影されていますが、窓の方角や光の入り方をチェックしておくと、「日中の明るさ」「朝日・夕日」「影の落ち方」などを推測できます。

確認のコツ：

• 窓の向き（東向き＝朝日／南向き＝日中／西向き＝夕方）
• 採光窓の位置と数
• ベランダの奥行き（洗濯物が日差しを受けるか）
• 隣の建物との距離（光を遮らないか）

【7】画質・撮影環境に注意する

VR映像は撮影環境に左右されるため、鮮明さや実物との差異もチェックしておくと安心です。
注意すべき点：

• 広角レンズで実際より広く見せていないか
• 明るさ補正が強すぎて実際より明るくないか
• 撮影時期（古い映像だとリフォーム前の場合も）
• モデルルーム撮影の場合、家具配置で印象が変わる

【8】スクリーンショット・メモで記録する

複数物件をVR内見する場合は、印象を記録して比較できるようにしておくと便利です。

おすすめの記録方法：

• 気になる箇所をスマホでスクリーンショット
• メモアプリに「明るさ◎」「収納少なめ」「家具配置しやすい」など簡単に記録
• 物件ごとにフォルダを作り、VRリンク・間取り図・メモをセットで保存

【9】家族・同居人と同時に確認する

URLを共有すれば、家族やパートナーも同じ画面を見ながら意見交換が可能です。

• この部屋の撮影時期はいつか
• 家具の配置例は実際の寸法と合っているか
• バルコニーや共用部分は確認できるか
• 現地見学で確認したい点をメモ（例：収納内部、外観、周囲の環境）

ステップ③：VRゴーグルでよりリアルに体感

スマホやPCでのVR内見は便利ですが、「本当にその場に立っているような没入感」を得たいなら、ぜひ試してほしいのがVRゴーグルを使った内見体験です。

VRゴーグルを使うことで、頭の動きと連動して視点が変化し、目の前に部屋が広がるような感覚を味わえます。

単なる確認ではなく、「この部屋で生活する感覚」を実際に体感できるのが最大の魅力です。

ここでは、VRゴーグルを使った内見の具体的な準備・操作・確認ポイントを詳しく解説します。

【1】VRゴーグルを使う目的と効果

VRゴーグルを使うことで、スマホやPCの平面表示では得られない「立体的な空間認識」が可能になります。

主な効果：

• 部屋の奥行き・高さ・距離感をリアルに把握できる
• 家具配置の圧迫感・動線の自然さを体で感じられる
• 窓や天井の位置関係を首を動かしながら確認できる
• 部屋全体を歩き回るように視覚的にシミュレーションできる

【2】準備するもの

VRゴーグルといっても、専用機器を用意する必要はありません。
スマホをセットするだけで使える簡易型ゴーグル（1,000〜3,000円程度）でも十分に効果があります。

代表的なタイプ：

種類	特徴	価格帯
スマホ差し込み式（Cardboard型）	スマホを挿し込むだけで利用可能。手軽で軽量。	約1,000〜2,000円
VRヘッドセット（Oculus Quest / Meta Questなど）	専用アプリ対応。高解像度・高没入感。	約30,000円〜
モバイルVRゴーグル（HOMiDOなど）	スマホ対応ながら高画質。ピント調整可能。	約3,000〜6,000円

【3】VR内見用のスマホ設定

スマホをゴーグルで使う際は、以下の点を事前に確認しておきましょう。
設定手順：

1. スマホで不動産サイトのVR内見ページを開く
2. 「VRモード」「ゴーグルモード」「2画面表示」を選択（対応サイトのみ）
3. 画面が左右に分割されたら、ゴーグルにスマホをセット
4. ゴーグルを装着し、視点を合わせる（ピント調整付きの場合は調整）

【4】実際の体験手順

VRゴーグルを装着したら、以下の手順で部屋全体を体感してみましょう。

1. 玄関からリビングへ視線を移動
   　→ 生活導線をイメージ（廊下幅・扉の位置）
2. リビング全体を首を動かして確認
   　→ 天井の高さ、窓からの採光を体感
3. キッチン・洗面所・寝室などへ移動
   　→ 各部屋の広さ・通路幅を確認
4. 家具を置く位置を想像してシミュレーション
   　→ 「ベッドをここに置くと圧迫感は？」「冷蔵庫が収まる？」
5. 窓の外を覗いて景観を確認
   　→ 隣接建物との距離や光の入り方をチェック

特に“動線”と“視界の抜け”を意識すると、平面図では分からない生活感がつかめます。

【5】確認すべきポイント（VR体験中チェックリスト）

■ リビングの広さ
家具を置いても歩けるスペースがあるか

■ 天井の高さ
圧迫感がないか／開放感を感じるか

■ 採光
窓の位置・光の入り方・眩しさを確認

■ 通路幅
人がすれ違える幅が確保されているか

■ 扉・収納
開閉時の動線に干渉しないか

■ 音・生活感
近隣の距離感・窓の外の景色も確認

■ 空間の印象
住んだときに心地よいか、違和感があるか

チェック項目	確認内容

これらを確認しながら、「自分の暮らし」がイメージできるかを重視します。

【6】VRゴーグル体験を引越し計画に活かす

VRで得た「空間感覚」は、引越し準備にも直接役立ちます。

この段階で「生活イメージを確定」させておくと、引越し後の配置替えや購入ミスを大幅に減らせます。

ステップ④：家族・業者と情報を共有

VR内見を体験した後は、その情報を家族や引越し業者と共有して「意思決定」と「作業計画」に活かす段階です。

VR内見は、1人で見るだけではなく、関係者全員が同じ視点で部屋を確認できる点にこそ真価があります。

ここでは、情報共有の方法・連携のコツ・注意点を詳しく解説します。

【1】なぜ共有が重要なのか

引越しでは、「誰が・何を・どこに置くか」を明確にしておくことが、作業効率と満足度を左右します。

しかし、言葉や写真だけでは空間の広さ・配置感覚が共有しづらく、「思っていた場所と違う」「家具が入らない」といった食い違いが起きやすいものです。

VRデータを共有することで得られる効果：

• 家族全員が「同じ空間イメージ」を持てる
• 家具配置や生活導線を事前に話し合える
• 引越し業者との打ち合わせが具体的になる
• 当日の搬入・設置がスムーズに進む

【2】共有できる形式を知る

VR内見データは、URLリンク・QRコード・スクリーンショットなど、複数の形式で共有できます。
それぞれの特徴を理解して、相手に合わせた方法を選びましょう。

共有方法	特徴	向いている相手
URLリンク共有	クリックだけでVR画面を開ける。スマホ・PC対応。	家族・業者・インテリア担当者
QRコード共有	印刷して貼り付け可能。現場や資料に便利。	引越し現場スタッフ・家具業者
スクリーンショット	要点を静止画で共有できる。コメントしやすい。	家族・設計者・業者担当
クラウド共有（Google Drive / Notionなど）	写真・間取り・メモをまとめて管理できる。	家族・チーム・不動産会社

【3】家族・同居人との共有方法

VR内見を家族やパートナーと共有することで、物件選びや家具配置の認識ズレを防げます。

共有のステップ：

1. 不動産サイトのVR内見ページで「共有URL」をコピー
2. LINE・メール・メッセージアプリで家族に送信
3. 見てもらう際は「どこを重点的に確認してほしいか」を明記
   　（例：「キッチンの広さどう思う？」「寝室の光量を見てほしい」）
4. それぞれの印象をメモして共有（良い点・気になる点など）

これにより、「感覚の違い」を事前にすり合わせることができます。

【4】引越し業者との共有方法

業者との共有は、搬入・配置トラブルを防ぐ実務的な効果があります。

これにより、現地での「置けない」「入らない」といったトラブルを防げます。

【5】インテリア・設備業者との共有

家具・照明・カーテンなどのインテリア計画を立てる際にも、VR内見データの共有は有効です。

活用法：

• 家具メーカーにURLを共有し、「ソファのサイズ感を合わせたい」と相談
• 照明業者にリビングの天井高さを確認してもらう
• カーテン専門店に「窓の位置」「採光状態」を把握してもらう
• リフォーム業者に「棚を追加したい箇所」を指示

【6】共有情報の整理と一元管理

複数の関係者と共有する場合は、情報をバラバラに送らず、クラウド上で一元管理しておくと便利です。
おすすめの方法：

• Google スプレッドシートに「物件URL・間取り・写真・コメント欄」を一覧化
• Notion / EvernoteにVRリンク・家具レイアウト案・見積もりメモをまとめる
• Dropbox / Google Driveで「VR_物件名」フォルダを作り、全資料を格納

【7】共有の際に意識すべき注意点

VR内見データを共有する際には、セキュリティ面や情報鮮度にも注意が必要です。

共有範囲と目的を限定することで、安全かつ効率的に情報を活用できます。

【8】共有後の活用ステップ

共有して終わりではなく、次の行動につなげることで効果が最大化します。