共用部の使用マナー|マンションでの引越し注意点

共用部の使用マナー|マンションでの引越し注意点

マンションでの引越しは、自分の部屋だけで完結する作業ではありません。

エレベーター・廊下・駐車スペースなど、共用部を他の住人と共有しているため、使用マナーを守らないとトラブルに発展するケースもあります。

ここでは、引越し前後に注意すべき共用部のマナーを詳しく説明します。

【共用部とは何かを理解する】

 

マンションの共用部とは、全住民が利用するスペースを指します。主に以下の場所が該当します。

  • エントランス
  • エレベーターホール・エレベーター内
  • 階段・廊下
  • 駐車場・駐輪場
  • ゴミ置き場
  • 集会室・ロビー

これらは個人の専有部分ではないため、勝手な利用や長時間の占有は禁止されています。

1. 引越し作業前にやるべきこと

(1)管理会社・管理人への事前連絡

  • 引越し日と時間帯を事前に届け出るのが基本です。
  • 管理人が常駐しているマンションでは、エレベーターの養生や搬入経路の確認を行ってくれます。
  • 特に「大型家具や家電の搬入」は、他住民への配慮が必要です。

(2)引越し業者にも共有ルールを伝える

  • マンションによっては「使用できる時間帯」や「搬入口の指定」があります。
  • 業者に伝え忘れると、エレベーターや廊下での立ち往生や苦情の原因になります。

2. エレベーター使用のマナー

  • 専用使用は避ける。他の住民が使うタイミングでは譲り合いを意識。
  • エレベーター内の養生(壁面の保護)は必須。傷をつけると修理費用を請求される場合があります。
  • 搬入・搬出の時間帯を管理人に確認。夜間・早朝は使用制限があるマンションも多いです。
  • 長時間の占有禁止。大型家具の搬入はできるだけ短時間で済ませる努力を。

3. 廊下・エントランスでのマナー

  • 廊下や玄関前に荷物を置かない。→ 火災や避難時の妨げになるため、一時的な置き場もNGです。
  • 玄関ドアを開けたまま作業を続けると、騒音やプライバシー問題になる場合があります。
  • エントランスでは、搬入用カートや台車を放置しないこと
  • 作業後は必ず清掃・点検を実施し、汚れや傷がないか確認しましょう。

4. 駐車場・搬入スペースの使用ルール

  • 引越しトラックの駐車場所を事前に確認。→ 他住民の出入りを妨げない位置に駐車する必要があります。
  • 長時間の占有は禁止。→ 特に機械式駐車場や来客用駐車場は、短時間利用のルールが設けられています。
  • エンジンのかけっぱなしやアイドリングは厳禁。→ 騒音や排気ガスでクレームが起きやすいポイントです。

5. 騒音への配慮

  • 引越し作業は午前9時〜午後6時頃までが目安。
  • 早朝や夜間の荷造り・家具の移動は控える。
  • 作業中に廊下などで声を張り上げないよう、業者にも注意を促しましょう。

6. ゴミ・不要品の処理

  • ダンボールや梱包材は、マンションのゴミ出しルールに従って処分します。
  • 粗大ゴミは、自治体の回収申込が必要です。
  • 共用のゴミ置き場に無断で置くと、不法投棄扱いになることがあります。
  • 可能であれば、引越し業者の「不要品回収サービス」を利用するのもおすすめです。

8. 作業後の確認とあいさつ

  • 引越し後は、管理人や管理会社に作業完了報告を行いましょう。
  • 養生の撤去や汚れの清掃を忘れずに確認。
  • 近隣住民(上下・隣)には、簡単なあいさつをしておくと印象が良く、今後のトラブル防止にもつながります。

7. よくあるトラブル例

トラブル内容 理由 対応策
エレベーターが使えないと苦情 長時間占有 使用時間を分ける・事前連絡
廊下の壁に傷がついた 不十分な医療 管理会社に報告・修繕費を負担
トラックの駐車で揉める 無断駐車 駐車許可を事前に取得
ゴミ置き場があふれる ダンボール放置 業者回収を利用する

【まとめて意識すべきポイント】

  • 事前連絡・許可を必ず取る
  • 養生・清掃・確認を徹底する
  • 他の住民の時間帯・通行を妨げない
  • 音・振動・排気ガスに注意

目次

事前連絡・許可を必ず取る

マンションは多くの人が共同で生活する建物です。引越しでは、大型トラックの出入り・エレベーターの長時間利用・騒音などが発生するため、他の住民や管理側への配慮が欠かせません

そのため、引越し前に「管理会社」「管理人」「管理組合」へ必ず連絡・申請を行うことが必要です。

1. なぜ事前連絡が必要なのか

理由①:共用設備(エレベーター・通路など)の使用調整のため

  • 同じ日に他の住民も引越しや搬入を予定している可能性があります。
  • 管理会社がスケジュールを把握しておくことで、使用時間の重複を防止できます。

理由②:養生や警備の手配が必要なため

  • エレベーターや廊下に保護シート(養生)を張る場合、管理側の許可が必要です。
  • 管理

理由③:駐車・搬入口の確保のため

  • 引越しトラックをどこに停めるかを事前に調整する必要があります。
  • 無断で駐車すると、他住民の通行を妨げたり、管理会社から注意を受けたりすることがあります。

理由④:セキュリティ上の問題

  • 引越し業者が建物に出入りする際、管理人が不審者との区別をつけるためにも、事前連絡が重要です。

2. 連絡・許可を取る相手

相手 コンテンツ 連絡方法
管理会社(または管理組合) 引越し日時・業者名・搬出入経路・エレベーター使用希望 電話・メール・申請書提出
管理人(常駐型の場合) 当日の立会い・養生確認・鍵の貸出など 口頭または書面
引越し業者 管理規約・使用制限の共有 電話・メール
近隣住民(上下・隣室) 騒音やエレベーター利用の予告 挨拶状・直接訪問

3. 連絡のタイミング

引越しの 1〜2週間前 には連絡しておくのが理想です。

タイミング やること
約2週間前 管理会社に連絡・申請書の有無を確認
約1週間前 養生や駐車場所の調整・時間帯の確定
前日〜当日 管理人に最終確認・立ち会い依頼
引越し完了後 養生撤去・共用部の清掃確認・報告

4. 管理会社・管理人への連絡内容(伝えるべきこと)

連絡時には、以下の情報を正確に伝えましょう。

  • 引越し予定日
  • 作業開始・終了時間
  • 使用する引越し業者名
  • トラック台数とサイズ
  • 搬出入経路(エレベーター使用の有無など)
  • 養生の要否
  • 駐留
  • 荷物の大きさ(ピアノ・大型家具など)

これらを事前に伝えることで、スムーズかつトラブルのない引越しが実現します。

5. 許可を取らずに引越しを行った場合のリスク

  • 共用部の破損→ 養生をしていなかったため、壁や床に傷をつけて修理費を請求される。
  • 他の住民からの苦情→ 「エレベーターが使えない」「うるさい」などのトラブルが発生。
  • 管理規約違反として注意を受ける→ 悪質な場合は、管理組合から正式な警告書が届くこともあります。
  • トラックの駐車違反→ 管理会社や警備員により警察通報されるケースもあります。
許可申請に必要な書類例

マンションによっては、以下のような書類提出を求められる場合があります。

  • 「引越し作業届出書」
  • 「共用部分使用申込書」
  • 「搬入・搬出届」
  • 「エレベーター養生申請書」

※書式は管理会社で配布されるか、ホームページでダウンロードできる場合もあります。

6. 引越し業者との連携も重要

  • 管理会社に提出した情報を、必ず引越し業者にも共有してください。
  • 業者が現地で戸惑うと、作業時間が延びて他の住民に迷惑をかけることになります。
  • 事前に「搬入ルート」「養生範囲」「作業時間」を明確に打ち合わせておくのが理想です。

7. 近隣住民へのひとこと連絡も忘れずに

  • 「〇月〇日に引越し予定です。ご迷惑をおかけします。」といった簡単な挨拶状や声かけをしておくと印象が良く、騒音や作業中の出入りに対する不満が軽減されます。
  • 特に上下階・隣室には、前日までに伝えるのがベストです。

養生・清掃・確認を徹底する

マンションの引越しでは、共用部(エレベーター・廊下・エントランス・搬入口など)に傷や汚れを残さない配慮が不可欠です。

実務的には「養生(保護)→清掃→最終確認」の三段構えで進めるとトラブルを未然に防げます。以下に、現場でそのまま使える具体手順とチェック項目を整理します。

1. 養生(ようじょう)の基本方針

  • 目的:傷・凹み・汚れ・転倒を防止し、占有時間を短縮する
  • 範囲:搬入経路の「接触可能性がある面」を全て保護
  • 基本ルール:
    • 事前に管理会社へ養生計画(範囲・時間・資材)を共有
    • 角面・出隅・狭所は厚手資材で重点保護
    • 歩行面は滑り抵抗のある資材+段差解消を併用

2. 養生の対象と厚みの目安

  • エレベーター内壁・扉:厚手パネル(2.5〜5mm)+扉縦リブ部も養生
  • エレベーターレール・戸当たり:緩衝材(発泡体)をテープで固定
  • 廊下壁・角(出隅):コーナーガード(L型・発泡ゴム系)+ダンボール/プラダン
  • 床(廊下・エントランス):ノンスリップマット+養生シート(重ねズレ防止)
  • 玄関框・ドア枠:厚手緩衝材+テープは弱粘着
  • エントランス自動扉:可動域の干渉を避け、フレームのみ保護
  • 搬入口スロープ:段差スロープ+耐荷重マット

3. 養生資材の選び方(跡残り防止が最優先)

  • 壁・扉:プラダン、養生ボード、コーナーガード
  • 床:滑り止め付き養生シート、ゴムマット、養生カーペット
  • テープ:弱粘着マスキング、養生テープ(紙系・PE系)。強粘着は不可
  • 緩衝材:発泡ポリエチレン、フォームガード、段ボールスペーサー
  • 補助具:ドアストッパー、段差解消スロープ、台車マット、角当て
 
  • テープは「試着」してから全面使用(目立たない箇所で粘着残りを確認)
  • 高温・直射日光・結露環境では粘着残りが増えるため使用時間を短縮

4. 養生の手順(当日オペレーション)

  • 前日まで
    • 管理側と範囲・時間・導線・エレベーター占有枠を確定
    • 大型物(冷蔵庫・ソファ・ピアノ)の寸法と曲がり角クリアランス確認
  • 始める前に
    • 導線を空け、床をドライ状態に。養生前の状態を写真で記録
    • 角→壁→扉→床の順で養生。可動部(センサー・排気口)をふさがない
  • 作業中
    • 養生の浮き・ズレを逐次補正。台車はノーパンクタイヤ推奨
    • エレベーターは「通常運用優先・占有は最小化」の原則
  • 撤去
    • テープは壁面に沿わせて低角度でゆっくり剥離
    • 剥がし跡が出たら、まず乾拭き→微温湯→中性洗剤の順で段階対応

5. 清掃の基本(汚れの種類別)

  • 日常汚れ(砂塵・段ボール粉):掃除機→乾拭き→微湿拭き→乾拭き
  • ゴム痕(台車・靴底):消しゴム→中性洗剤→微細メラミン(軽圧)
  • テープ糊残り:界面活性剤系クリーナー→シール剥がしは最後の手段(素材確認必須)
  • 金属粉・錆:乾拭き→中性洗剤→防錆拭き。酸性は使用前に素材テスト
  • 石材(御影・大理石):酸性禁止。PH中性のみ、速乾徹底
  • 木質・化粧シート:水分少なめ、目に沿って拭く。アルコールは試験後に局所使用

知らせ:

  • 研磨系(クレンザー・硬めメラミン)は仕上げ面を曇らせる恐れあり
  • 共用部は素材が多様。不明素材は「最小範囲でパッチテスト」が鉄則

6. 損傷・汚損が発生した場合の初動

  • 直ちに作業中断→養生で二次被害防止
  • 写真記録(遠景・中景・近接、スケール入り)
  • 発生時刻・作業内容・使用資材・担当者をメモ
  • 管理人へ口頭報告→管理会社へ概要報告(当日中)
  • 応急対応可能なら範囲限定で実施(管理側合意のうえ)
  • 修繕は管理会社の指定事業者の判断に従う

7. 最終確認フロー(そのまま使えるチェックリスト)

  • 医療保険からの撤退
    • テープ残りなし/糊跡なし
    • 角・巾木・ドア枠の当て痕なし
  • 清掃
    • 床の砂塵・ゴム痕・段ボール粉除去
    • エレベーター溝・敷居に異物なし
  • 装置
    • 自動扉・センサー・カメラの視界確保
    • 表示板・掲示類の復旧
  • 安全性
    • 段差解消材・ウェッジ類の撤去
    • 台車・工具の持ち出し漏れなし
  • 記録・報告
    • Before/After写真を管理人に提示
    • 養生時間・占有時間・異常の有無を報告

8. 引越し業者への指示テンプレ(抜粋)

  • 養生範囲:エレベーター全面/廊下角・壁1m高/床導線全面
  • テープ:弱粘着のみ、剥離角度低く、跡残り確認のうえ使用
  • 台車:ノンスリップマット併用、エレベーター敷板設置
  • 導線:住民優先、占有は最大○分、同便2本以上は時間差入構
  • 清掃:撤去後にドライ→ウェット→ドライの三段清掃を実施
  • 報告:異常時は即時一報→写真送付→作業中断の判断を仰ぐ

9. よくあるNGと回避策

  • 強粘着テープで長時間固定 → 弱粘着に変更、面圧で固定、使用時間短縮
  • 床養生の段差・めくれ → 端部テーパー処理、滑り止め下敷き
  • エレベーター占有し続ける → ランナー配置で小運搬回数を増やし滞留短縮
  • ステンレス面の磨き傷 → 乾拭き厳禁。柔らかい布+中性洗剤で一方向拭き
所要時間の目安(標準規模の例)

  • 養生施工:20〜40分(範囲による)
  • 引越し本体:120〜240分
  • 撤去・清掃・確認:20〜40分※開始前の状態撮影と報告に各5分を確保すると後日の説明が容易です。

他の住民の時間帯・通行を妨げない

マンションの共用部は「自分のもの」ではなく、すべての住民が平等に使う空間です。

引越しでは大型家具や荷物の搬出入が多く、通行を塞いだり、エレベーターを長時間独占したりすると、他の住民に迷惑がかかります。

そのため、引越し時は「共用動線を独占しない」「生活時間を乱さない」という配慮が非常に大切です。

1. 住民がよく通る時間帯を避ける

主な混雑時間帯(全国的な傾向)

時間帯 状況 引越し作業への影響
7:00〜9:00 通勤・通学ラッシュ エレベーター利用集中、出入り口混雑
12:00〜13:00 昼休み・買い物 一時的にエントランスが混みやすい
17:00〜20:00 帰宅ラッシュ 駐車場・エレベーター利用増加
21:00以降 夜の静かな時間 騒音トラブルのリスク大

【対応策】

  • 引越し時間は 9:00〜17:00の間 に設定するのが理想。
  • 早朝・夜間の搬入搬出は原則避ける。
  • 土日や祝日を選ぶ場合は、管理会社や住民への配慮を強化する。

2. エレベーターを占有しない

エレベーターはマンションの共用インフラの中でも特に使用頻度が高い部分です。引越しでは以下のような工夫で「独占時間」を減らすことが重要です。

【対策】

  • 大型家具や家電を搬入する際は短時間で効率的に積み込み
  • 複数人のスタッフで分担し、積み込みを速やかに行う。
  • 他住民が乗りたい場合は優先的に譲る。
  • 連続で使う場合でも、1回ごとに他の住民に使用機会を与える意識を持つ。
  • 使用中は「引越し作業中」の掲示を貼り、住民が状況を把握できるようにする。

3. 廊下・エントランス・階段での通行妨害を防ぐ

NG

  • 廊下や階段に段ボール・家具を一時的に置きっぱなしにする
  • 台車を放置したまま別作業をする
  • エントランスや共用玄関に家具を仮置きする

これらは、

  • 通行を妨げる
  • 火災時の避難経路を塞ぐ
  • 美観や安全上の問題になるため、管理規約で明確に禁止されている場合が多いです。

【対応策】

  • 荷物の「待機スペース」はあらかじめ管理人と相談して確保。
  • 一度に運ぶ荷物量を調整し、一時置きは最小限に。
  • 廊下を使用する際は、通路幅を半分以上確保することを意識。

4. 駐車場・搬入口の利用マナー

よくあるトラブル

  • トラックを長時間停めて他の車の出入りを妨げる
  • エンジンをかけたまま放置(排気ガス・騒音トラブル)
  • 来客用・契約者専用スペースを無断で使用

【対策】

  • 事前に搬入口・トラック駐車位置を管理会社に確認
  • 長時間の停車は避け、荷物搬入後は速やかに移動
  • 駐車位置にはカラーコーンや看板で「作業中」表示を行うとトラブルを防止できます。
  • 夜間・早朝はエンジン音が響きやすいので、アイドリングストップを徹底

5. 騒音・振動への配慮

騒音の原因になりやすい行為

  • 大声での指示出し
  • 家具の引きずり・台車の金属音
  • エレベーター扉の衝突音
  • 梱包材の破裂音

予防策

  • 作業員同士のやり取りはインカムや短い声かけで静かに行う。
  • 家具や家電は持ち上げて運ぶ(引きずらない)。
  • 台車にはゴムタイヤや防音キャスターを使用。
  • 壁や床が響く構造では、足音や衝撃音に特に注意

6. 住民とすれ違う際の対応

  • 荷物を持っていても先に「お通りください」と声をかける
  • 小さな子どもや高齢者が通る際は、作業を中断して道を空ける。
  • エレベーター前・廊下の角では、声かけまたは一時停止を行う。
  • 会釈や軽いあいさつを忘れない。小さな気配りが信頼につながります。

7. 管理会社・管理人との連携でスムーズにする

  • 引越し日と時間を申請し、他の住民とスケジュールが重ならないよう調整
  • 混雑時間帯を避けた「作業時間枠」を設定してもらう。
  • 当日は管理人がエレベーター操作や導線案内をしてくれる場合もあります。

8. 現場チェックリスト(実践用)

チェック項目 コンテンツ
作業時間 9:00〜17:00内で設定しているか
エレベーター 他住民優先で使用しているか
廊下 通路幅を確保しているか(半分以上)
駐車場 許可された場所にのみ停車しているか
騒音 作業音・声量を抑えているか
通行対応 住民とすれ違う際に声かけしているか

音・振動・排気ガスに注意

引越し作業は短時間でも騒音・振動・排気ガスが発生しやすく、特にマンションでは上下階・隣接住戸に音が伝わりやすいため注意が必要です。

「短時間だから大丈夫」と油断すると、苦情や管理会社からの注意につながるケースもあります。以下では、それぞれの要因ごとに、具体的な注意点と対策を整理します。

1. 騒音(音)に関する注意点

よくある騒音の原因

  • 家具・家電を床に引きずる音
  • 段ボールや荷物の落下音
  • 作業員の大声での指示や会話
  • 台車・キャスターの金属音やガタつき
  • 養生パネル・工具の設置音・取り外し音

【対策】

  1. 作業時間の設定
    • 騒音が発生しやすい作業は 9:00〜17:00 に限定する。
    • 早朝・夜間(20時以降)は搬出入を避ける。
  2. 静音対応資材の使用
    • 台車はゴムタイヤ付き(防音キャスター)を使用。
    • 床養生には防振マットを敷くと響きが軽減される。
  3. 声のボリュームに注意
    • 作業指示は短く・静かに
    • エントランスや廊下では周囲の声が響く構造のため、私語も控える。
  4. 家具・荷物の扱い
    • 「引きずらない・落とさない・ぶつけない」を徹底。
    • 特にフローリングや共用廊下は、衝撃音が振動と共に響くため注意。
  5. 住民への配慮
    • 作業前に「本日◯時から引越し作業があります」と掲示または口頭で伝えると誤解を防げます。

2. 振動に関する注意点

マンションはコンクリート構造でも、床や壁を通して振動が伝わりやすい構造です。特に上下階に対する配慮が必要です。

よくある振動トラブル

  • 家具の転倒や衝突による床振動
  • 重量物(冷蔵庫・洗濯機・タンスなど)の設置音
  • キャスターや台車の段差通過時の衝撃

【対策】

  1. 荷物を持ち上げて運ぶ
    • 大型家具でも、底面を滑らせず浮かせて移動
    • 2名以上で分担し、物を倒さないよう注意。
  2. 搬入経路に緩衝材を敷く
    • 廊下や玄関前には防振マット・カーペットを敷くと効果的。
  3. 重量物の設置時はゆっくり降ろす
    • 床の強度よりも衝撃音の抑制がポイント。
    • 家電は底部にフェルトや防振ゴムを貼ると振動音を防げます。
  4. 階段での運搬時も慎重に
    • 一段ごとに静かに降ろす。
    • 金属の手すりに荷物を当てないよう注意。

3. 排気ガスに関する注意点

排気ガスが問題になる理由
  • トラックのアイドリング(エンジンのかけっぱなし)によって排気臭や有害ガス(二酸化窒素・PM2.5など)が発生。
  • マンションの構造によっては、地下駐車場・エントランス・風除室にガスがこもる場合があります。
  • 住民の健康被害や臭気トラブルに直結します。

【対策】

  1. アイドリングストップを徹底
    • 駐車中・荷物積み込み中は必ずエンジンを切る
    • 特にエントランス前・駐車場・地下スペースでは厳守。
  2. 駐車場所の選定
    • 換気が悪い場所(屋内・地下駐車場など)は避ける。
    • 管理人に相談して、一時的な屋外スペースを確保する。
  3. 排気方向の確認
    • 壁や窓の近くにトラックを停めると、排気が住戸や廊下に流入する恐れあり。
    • できる限り建物から離れた位置で停車する。
  4. 短時間での積み下ろしを心がける
    • トラックの停車時間を最小限に抑えることで、排気ガスと騒音を同時に軽減できる。

4. 注意すべき時間帯・環境別のポイント

環境 注記 推奨対策
高層マンション 音が縦方向に響きやすい 防音マット使用・時間帯制限を厳守
低層住宅型マンション 振動が壁伝いに伝わる 家具設置はゆっくり・壁面接触注意
地下駐車場 排気ガス滞留の危険あり アイドリング厳禁・換気扇稼働を確認
商業併設型(1階店舗あり) 昼間も人通り多い 荷下ろし時間をずらす・歩行者優先

5. 管理会社・住民への配慮

  • 管理会社に「騒音・振動・排気ガス対策」を事前に説明し、承認を得ておく
  • 作業前に「エレベーター・共用廊下を使う時間」を明確に伝える。
  • 苦情が発生した場合は、即日報告・謝罪・改善を行う。
  • 騒音が大きいときは、5〜10分の作業休止を挟む柔軟対応を。

6. 現場で使える「音・振動・排気」チェックリスト

チェック項目 対応状況
作業時間は9:00〜17:00内に設定しているか □済
大声・呼びかけを控えているか □済
家具・台車を引きずらず持ち上げているか □済
防音・防振マットを敷いているか □済
アイドリングをしていないか □済
トラックの排気が住戸方向に向いていないか □済
騒音・臭気に関する苦情が出ていないか □確認

7. トラブル事例と防止策

トラブル事例 理由 予防策
「朝早くからうるさい」と苦情 作業開始が8時前 開始は9時以降に設定
「床がドンドン響く」 家具を滑らせた 防振マット使用・持ち上げて運搬
「排気臭がベランダに入る」 トラックの停車位置 排気方向を確認・エンジン停止

8. 一言アドバイス

「作業効率より静粛・安全を優先」短時間で終わらせたい気持ちは分かりますが、他の住民に迷惑をかけない引越しこそ“良い引越し”です。たとえ数分の配慮でも、住民トラブルを防ぎ、信頼を得ることにつながります。

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