見積もりが安くても安心できない！追加料金で泣いた事例集

引越しの見積もりが安いと、つい「お得」と感じて契約してしまいがちです。

しかし、実際には「当日になって追加料金を請求された」というトラブルが少なくありません。ここでは、実際の事例をもとに、どのような場面で追加料金が発生したのかを詳しく紹介します。

荷造りが終わっておらず作業時間が延びた

引越し当日、まだ荷造りが終わっていない状態で業者が到着し、結果的に作業が長引いてしまうという事例は非常に多く見られます。

見積もり段階では「荷造り済み」を前提に料金が算出されるため、当日に未梱包の荷物が多いと、予定外の人件費や延長料金が発生することになります。

よくある発生パターン

• 「前日にやるつもりだったが、仕事や家事で時間が取れなかった」
• 「細かいものは当日でいいと思っていた」
• 「荷物が多くて段ボールが足りなかった」

これらの理由から、作業開始が遅れたり、スタッフが梱包を手伝う必要が出てきたりして、結果的に1〜3時間の作業延長となるケースがあります。延長料金は業者によって異なりますが、1時間あたり5,000〜10,000円前後の追加が一般的です。

業者側の考え方

引越し業者は「見積もり時点での条件」に基づいてスケジュールを組み、次の現場も控えています。そのため、当日の遅延や想定外の作業が生じると、以下のような対応を取らざるを得ません。

• 予定外のスタッフ増員または延長作業費の発生
• 次の現場との兼ね合いで時間外作業として扱う
• 荷造り手伝いを“別作業”として追加請求

このため、当日荷造りが終わっていないと「時間延長＋作業追加」のダブル請求になるケースもあります。

事前に防ぐための対策

• スケジュールを逆算して計画的に梱包する

  • 荷造り開始は遅くとも引越しの1週間前から
  • 使用頻度の低いもの（季節用品・書籍・装飾品）から詰める

• 前日には“即日必要なもの”以外を全て箱詰めする

  • 洗面用品・食器・衣類などは「当日用の最低限」を残すだけに

• 段ボールの不足を防ぐ

  • 見積もり時に業者から多めに受け取っておく
  • 荷物の種類に合わせてサイズ別に分けておく

チェックリスト：荷造り遅延を防ぐために

• 引越し1週間前から梱包を開始している
• 使用頻度の低い荷物を優先的に箱詰めした
• 段ボール・ガムテープ・緩衝材を十分に用意した
• 前日には全体の9割以上の荷造りを完了させた
• 当日使う最低限のものだけを残した

見積もり時より荷物が増えてしまった

引越しでは、見積もり時点と実際の引越し当日で「荷物の量が違う」というトラブルが頻発します。

当初は「これくらいなら軽トラックで足りる」と思っていても、荷造りを進めるうちに想定以上の荷物が出てくるケースが多く、結果的に追加料金を請求されることになります。

追加料金が発生する典型的なパターン

• 見積もり時に「倉庫・ベランダ・押し入れの奥」を見落としていた
• 引越し直前に家具や家電を新調・買い足した
• 「不要と思っていた荷物」を当日やっぱり運んでもらうことにした
• 同居人や家族の荷物をまとめて運ぶことになった

見積もりは「申告された荷物量」を前提に料金が設定されているため、増加分は運搬量・トラック台数・作業員数のいずれかが変動します。
結果として、見積もり金額より2〜5万円程度の上乗せになるケースも珍しくありません。

なぜ荷物の増加がトラブルを生むのか

引越し業者は、見積もり時に「トラックのサイズ」「作業員の人数」「作業時間」を確定させます。当日に荷物が増えると以下のような問題が起こります。

• トラックに積み切れず、追加便や再訪問が必要になる
• 想定外の重量で作業時間が延長される
• 現場判断で人員を追加せざるを得ない
• 業者の次の現場にも影響するため、時間外手当や特別対応費が加算される

こうした追加対応は、ほとんどが当日現金払いや事後請求となり、利用者が不満を抱きやすい原因となります。

トラブルを防ぐための対策

• 「全部見せる」ことを徹底する

  • 訪問見積もりでは、押し入れ・倉庫・ベランダ・屋根裏なども見てもらう
  • 電話・オンライン見積もりの場合は、写真や動画で荷物の全体像を共有する

• “増える可能性”を事前に伝える

  • 「引越し直前に家具を買う予定」「家族の荷物を追加するかもしれない」など、可能性の段階でも申告

• 荷物リストを作成しておく

  • 家具・家電・段ボール数・その他の特殊品をリスト化し、見積もりと当日を照らし合わせる

• 余裕のあるプランを選ぶ

  • 予算を抑えたい場合でも、ギリギリではなく「1ランク上のトラック」を選ぶと安全

チェックリスト：荷物増加による追加料金を防ぐ

• 倉庫・ベランダ・押し入れの中まで確認した
• 家具・家電の数を正確に申告した
• 今後購入予定の大型品を伝えた
• 予備の段ボールを用意してある
• 荷物が増えた場合の追加料金条件を確認した

新居周辺の道路が狭くトラックが停められなかった

引越し当日、新居周辺の道路が想定よりも狭く、トラックを玄関前に停められなかったというトラブルは非常に多く見られます。

このような場合、搬入作業に時間と労力がかかり、結果として駐車場代や人件費の追加料金が発生することになります。

よくある発生パターン

• 新居の前面道路が一方通行や生活道路で、大型トラックが通れなかった
• 駐車禁止区域や近隣トラブルを避けるために、遠方のコインパーキングを利用した
• 駐車スペースが確保できず、搬入までの距離が長くなった
• 建物にエレベーターがなく、階段搬入が必要になった

これらの条件が重なると、業者は通常よりも多くの人員・時間を要するため、1〜3万円前後の追加費用が発生することがあります。

業者側の対応と追加料金の理由

引越し業者は見積もり時点で「車両をどこに停めて作業できるか」を前提に作業計画を立てます。
しかし、当日に現場状況が違うと、以下のような対応が必要になります。

• 遠距離手運び搬入：トラックから玄関まで距離があると人員と時間が増える
• 車両変更や追加手配：大型車が入れない場合、小型車への積み替えが必要
• 駐車料金の発生：現地に停められない場合、近隣の有料駐車場を利用
• 渋滞・時間外作業による延長費：想定以上に時間がかかり、予定スケジュールが崩れる

業者にとっては予定外の労働コストとなるため、契約上の「追加作業費」として請求されることになります。

オプション作業を当日依頼した

引越し当日、「やっぱりこれもお願いしたい」と追加作業を依頼してしまうケースは少なくありません。

しかし、事前に申告していないオプション作業は、見積もりに含まれていないためその場で追加料金が発生します。

特に電気・水道・家電設置などの専門作業は割高になる傾向があり、想定外の出費に繋がることもあります。

よくある当日依頼の内容

• エアコンの取り外し・取り付け

  → 1台あたり1万5,000〜3万円程度。配管やガスの処理が必要なため専門業者が対応。

• 洗濯機の設置・排水ホースの取り付け

  → 1,000〜5,000円程度。設置環境によっては追加部品が必要な場合も。

• 照明・アンテナ・ウォシュレットの取り外し・設置

  → 電気工事が必要になることが多く、1カ所あたり5,000〜1万円前後。

• 家具の分解・組み立て

  → 当初「自分でやる」としていたものを業者に依頼し、数千円〜1万円程度の追加。

• ピアノ・金庫・観葉植物など特殊品の運搬

  → 重量・サイズ・温度管理の関係で専門取扱いとなり、別途費用発生。

なぜ当日依頼は高くなるのか

• 事前スケジュールに組み込まれていないため

  → 現場スタッフが予定外の作業を行うことで時間が延びる。

• 専門業者の手配コストが上乗せされるため

  → エアコンや電気工事などは下請けに依頼するケースが多く、即日対応は割増。

• 資材・工具の準備ができていないため

  → 特殊部品が必要な場合、その場で調達・出張費が加算される。

不用品の処分を当日に依頼した

引越し当日になって、想定外の不用品が出てしまい「ついでに引き取ってほしい」と業者へ依頼するケースは非常に多く見られます。

しかし、この行動が追加料金発生の代表的な原因の一つです。引越し業者の見積もりには通常、不用品の処分費用は含まれていないため、その場で別途費用を請求されることになります。

よくある発生パターン

• 荷造りの途中で「もう使わない家具・家電」が出てきた
• 想定していたよりも荷物が多く、トラックに積みきれなかった
• 退去直前に「粗大ごみ収集日」に間に合わないと気づいた
• 掃除中に押し入れやベランダから古い物が見つかった

このような場合、業者にその場で依頼すると、1点あたり数千円〜1万円前後の追加料金が発生することが多く、量によっては数万円単位になることもあります。

なぜ追加料金が発生するのか

• 引越し業者の基本作業は「運搬のみ」であり、廃棄処理は別契約扱い
• 不用品の処分には、分別・運搬・廃棄費用がかかる
• 家電や家具は「産業廃棄物扱い」となる場合があり、業者が外部処理業者を手配する必要がある
• 当日の依頼は予定外対応となるため、人員追加・時間延長・廃棄委託費が上乗せされる

訪問見積もりを行わなかった

引越しの見積もりを電話やインターネット上の入力フォームだけで済ませた場合、当日に「想定外の追加料金」が発生するリスクが非常に高くなります。

訪問見積もりを省略すると、業者が実際の荷物量・通路幅・建物構造などを正確に把握できず、見積もりと実際の作業内容にズレが生じるためです。

よくあるトラブルの発生パターン

• 電話やWeb見積もりで「荷物は少なめ」と自己申告してしまった
• 大型家具・家電のサイズや重量を正確に伝えられなかった
• 道幅や階段の有無などの搬入条件を伝え忘れた
• 荷物以外の条件（エアコン・自転車・ベランダ収納など）を省略した

結果として、業者が想定していたよりも作業量が多くなり、当日にトラック追加・人員追加・時間延長などの費用が上乗せされるケースが多発しています。

訪問見積もりが重要な理由

訪問見積もりでは、担当者が実際に自宅へ訪問して以下の点を確認します。

• 家具・家電のサイズや数量
• 荷造りの進行状況と作業範囲
• 階段・エレベーター・通路幅などの作業環境
• トラックの駐車スペースの有無
• 特殊品（ピアノ・金庫・観葉植物など）の有無

これにより、現場作業の正確な想定ができるため、当日のトラブルや追加料金を防ぐことができます。

訪問見積もりを避けてしまう主な理由

• 「忙しくて時間が取れない」
• 「営業訪問を受けたくない」
• 「ネットの一括見積もりで十分だと思った」
• 「単身引越しだから簡単でいいと思った」

しかし、電話やネット見積もりはあくまで“概算”であり、実際の条件を確認しない限り正確な金額は出せません。特に家具の多い家族引越しでは、訪問見積もりなしでの契約はリスクが高いといえます。

繁忙期に時間超過で割増になった

引越しの繁忙期（特に3月中旬〜4月上旬）は、業者のスケジュールが非常に過密になります。

この時期は「作業時間が予定より延びた」「次の現場に間に合わない」などの理由から、時間超過による割増料金を請求されるケースが多く発生します。

よくある発生パターン

• 荷造りが終わっておらず、作業開始が遅れた
• 駐車や搬出経路の調整に時間がかかった
• 想定より荷物が多く、積み込み作業に時間を要した
• 新居での搬入がスムーズに進まず、終了予定を大幅にオーバーした

繁忙期は次の現場との時間間隔が非常にタイトに設定されているため、作業が少しでも遅れると業者の運行スケジュールに支障が出ます。
その結果、延長料金・時間外手当・スタッフ増員費用などの形で、追加請求されることになります。

繁忙期に時間超過が発生しやすい理由

• 業者のスケジュールが分刻みで詰まっている
  → 午前・午後・夜間と複数現場を掛け持ちしており、少しの遅延でも影響が大きい。
• スタッフ・車両の余裕がない
  → 増員や車両追加が難しく、延長対応が割高になりやすい。
• 渋滞・混雑・駐車制限の影響
  → 春の引越し集中期は道路・マンション出入口が混み合うため、作業効率が低下する。
• 夜間作業扱いになることがある
  → 18時以降や20時以降の作業は夜間料金が適用される場合がある。

料金の目安（繁忙期・時間超過時）

• 延長作業費：30分ごとに5,000〜8,000円程度
• 夜間作業費：20時以降で5,000〜15,000円程度
• 待機・待ち時間費：30分〜1時間で3,000〜5,000円程度
• スタッフ追加費：1名あたり5,000〜10,000円前後