「安さだけで選んで大丈夫？」引越し業者選びでよくある失敗とは

引越しの費用はできるだけ抑えたいものですが、「安さ」だけで業者を決めてしまうと、思わぬトラブルや後悔につながることがあります。

特にネットの見積もりサイトや格安キャンペーンだけを見て決めてしまうと、サービスの質や補償内容に差が出るケースも少なくありません。

ここでは、価格重視で業者を選んでしまったときに起こりやすい失敗例を詳しく解説します。

見積もり後の「追加料金」が発生した

引越し料金を「安い」と感じて契約したものの、当日になって請求額が見積もりより大幅に高くなる。そんなトラブルは決して珍しくありません。

実際には、事前に確認を怠ったり、見積もり内容が不十分だったりすることが原因で「追加料金」が発生するケースが多いのです。

ここでは、なぜ追加料金が発生するのか、その具体例と回避方法を詳しく解説します。

よくある追加料金発生のケース

荷物量が見積もりより多かった

 

訪問見積もりをせず、電話やオンラインだけで申告した場合、実際の荷物量が想定より多くなることがあります。

その結果、「トラックに入りきらない」「作業時間が延びる」などの理由で追加請求されることがあります。

作業環境が事前想定と異なった

エレベーターのないマンションや、トラックが玄関前まで入れない住宅などでは、「階段作業料」「運搬距離延長料」が発生する場合があります。

時間外作業や日程変更による追加

格安プランでは、時間指定や日程変更が有料になることがあります。特に繁忙期は、スケジュール変更や作業時間の延長が高額請求につながることもあります。

オプション作業を依頼した

基本プランには含まれない作業を、当日になって追加依頼すると、その場で料金が上乗せされることがあります。

　代表的な追加オプション：

• 洗濯機や照明の取り外し・取り付け
• エアコンの移設
• 不用品の回収
• ダンボールや梱包資材の追加

作業スタッフの対応が雑だった

引越しでよく耳にする後悔のひとつが、「スタッフの作業が雑だった」というものです。どんなに見積もりが安くても、荷物の扱いや接客態度が悪ければ、引越し全体の満足度は大きく下がります。

ここでは、スタッフ対応が雑だった場合に起きるトラブルと、その原因・防止策を詳しく解説します。

よくある「雑な対応」によるトラブル例

1. 家具・家電の破損や傷

   • 荷物を急いで運ぶあまり、壁や床、家具に傷がつくケース。
   • 冷蔵庫や洗濯機などの大型家電を無理に運搬して破損することも。
   具体例

   • テーブルの脚が折れた
   • テレビの液晶が割れた
   • 冷蔵庫のドアにへこみができた

   原因：

   • スタッフの経験不足
   • チーム内の連携不足
   • 時間に追われて丁寧な作業ができない

2. スタッフの言動・態度に不満

   • 挨拶がない、無愛想、指示を雑に出すなど、接客面の印象が悪いケース。
   • 作業中の私語やタバコ、靴下のまま部屋に上がるなど、マナーの悪さも指摘されています。

   特に多い不満点：

   • 「リーダー格が横柄だった」
   • 「雑談ばかりで作業が進まない」
   • 「指示がなく混乱していた」

   原因：

   • 教育・研修が不十分な業者
   • アルバイト中心で、現場慣れしていないスタッフが多い

3. 荷物の扱いが乱雑で紛失・破損

   • トラック内で荷物を積む際、固定が甘くて荷崩れするケース。
   • 小物や段ボールの扱いが乱雑で、中身が潰れたり紛失したりすることもあります。

   代表的なトラブル：

   • 「段ボールを投げるように扱っていた」
   • 「箱の中の食器が割れていた」
   • 「荷物の一部が届かない」

   原因：

   • 荷扱いの知識不足（重い物と軽い物の配置を誤る）
   • 人手不足で新人が急遽投入されるケース

4. 作業スピードが遅く、予定時間を超過

   • 慣れていないスタッフが多い場合、作業に時間がかかり、予定より遅れることがあります。
   • 他の現場と掛け持ちしている場合、途中で人員が入れ替わることも。

   結果として：

   • 入居予定時間に間に合わない

もし雑な対応に遭遇したら

• その場で写真を撮っておく（破損・汚損の証拠）
• 作業リーダーまたは営業担当にすぐ報告する
• 引越し後にトラブルが発覚した場合は、作業日からできるだけ早く業者に連絡

ほとんどの引越し業者は「運送約款」に基づき、破損・紛失の補償ルールを設けています。
証拠と日時を明確にしておくことで、補償を受けやすくなります。

サービス内容が自分のニーズに合っていなかった

引越し業者を選ぶ際、料金の安さや口コミの良さばかりに目を向けてしまうと、「思っていたサービスが付いていなかった」「自分の引越しには合わなかった」という失敗を招くことがあります。

特に、プラン内容を十分に理解せずに契約してしまうと、当日になって自分で作業をしなければならない、オプション費用がかさむなどのトラブルにつながりやすいです。

ここでは、サービス内容が合っていなかった場合に起こる具体的な失敗例と、その防止策を詳しく解説します。

スケジュールの融通が利かずトラブルに

引越し業者を選ぶ際、「できるだけ安くしたい」と考えて時間指定なしや格安プランを選ぶ人は多いでしょう。
しかし、料金を優先しすぎるとスケジュールの自由度が低く、当日の予定が大きく狂うトラブルに発展することがあります。

ここでは、スケジュールの融通が利かないことで起こりやすい具体的なトラブルと、その回避策を詳しく解説します。

よくあるスケジュール関連のトラブル

1. 当日の到着時間が直前までわからない

   • 「時間指定なしプラン」では、業者側の都合（他の現場の進行状況など）に合わせて訪問時間が決まるケースが多く、当日にならないと作業開始時間がわからないことがあります。
   • 結果的に、朝から待っていたのに午後遅くに到着する、夜まで作業が続くなどのトラブルが発生します。
   具体的な被害例

   • 新居の鍵の受け渡しに間に合わなかった
   • 他の予定（電気・ガス開通、清掃など）がズレた
   • 夜間作業になり、近隣からクレームが出た

   原因：

   • 格安プランでは業者が複数現場を掛け持ちしている
   • 繁忙期でスケジュールが詰まっている

2. 希望日が取れず引越し日を妥協

   • 特に3月〜4月、9月などの繁忙期は予約が集中し、希望する日程が取れないことが多くあります。
   • 格安業者の場合、スケジュール枠が少なく、予約可能日が限られている傾向があります。
   よくある失敗例

   • 休みを取っていた日に予約が入らず、別日になってしまった
   • 退去日と入居日がずれて、一時的に宿泊費が発生した

   対策：

   • 1か月以上前から予約を検討する
   • 複数業者に見積もりを依頼し、スケジュール調整の余地を広げる

3. 作業が長引き、次の予定に支障が出る

   • スタッフ人数が足りない、作業が遅れるなどで予定より時間がかかるケースがあります。
   • 午前の現場が押して、午後の引越しが遅れることも珍しくありません。

   影響しやすい予定：

   • 新居の立ち会い・鍵渡し
   • インターネット・電気・ガス工事の立会い
   • 退去立会い（管理会社・大家との約束）

   防止策：

   • 作業時間の目安を事前に確認する
   • 午前便・午後便のどちらかを指定するプランを選ぶ

4. 急な日程変更ができずトラブルに

   • 格安プランや混載便を選ぶと、日程変更に制限があることがあります。
   • 「急に仕事の予定が入った」「新居の引き渡し日がずれた」といった場合、変更手数料が高額になるケースもあります。

   注意すべき点：

   • 日程変更・キャンセル時の「手数料発生日」を契約前に確認
   • 繁忙期は変更不可の業者もあるため要注意

5. 遠距離・混載便で荷物の到着が遅れた

   • 他人の荷物と同じトラックで運ぶ「混載便」は料金が安い反面、配送スケジュールが他の依頼者に左右されます。
   • 結果的に「荷物が翌日以降に届く」「受け取り時間が読めない」といった不便さが生じます。

   対策：

   • 到着日を確実に指定したい場合は「チャーター便」を選ぶ
   • 急ぎで使う荷物は別送・自分で持ち運ぶ

補償やアフターサポートが不十分だった

引越しでは、どんなに慎重に作業をしても「家具の破損」「家電の故障」「荷物の紛失」などのトラブルが発生する可能性があります。

ところが、安さ重視で業者を選んだ場合、補償内容やアフターサポートが十分でないことが多く、結果的に泣き寝入りするケースもあります。

ここでは、補償・サポート体制が不十分な業者を選んでしまった際に起こりやすいトラブルと、契約前に確認すべき重要ポイントを詳しく解説します。

よくある補償・サポート面でのトラブル

1. 荷物の破損に対して補償してもらえなかった

   • 「運搬中に家具が傷ついた」「家電が動かなくなった」などのトラブルが発生しても、補償が限定的だったり、対応が遅かったりするケースがあります。
   • 特に格安業者の中には、最低限の運送保険しか加入していない業者もあります。

   典型的なケース：

   • 家具の塗装が剥がれたが「経年劣化」と判断され補償されない
   • 電化製品の破損を「内部不具合」とされて対象外に
   • 修理や弁償までに数週間かかった

   原因：

   • 補償上限が低い（例：1件につき上限30万円など）
   • 下請け業者が対応し、責任の所在が曖昧

2. 破損対応の連絡をしても、返答が遅い・あいまい

   • トラブル発生後に業者へ連絡しても、担当者が折り返さない、対応が遅いといった不誠実な対応が見られることがあります。
   • 「写真を送って」と言われたまま連絡が途絶えるケースも。

   よくある不満：

   • 「修理に出すと言われてから音沙汰がない」
   • 「誰が対応するのか分からない」
   • 「対応が他社任せ（下請け）」

   対策：

   • 契約前に「トラブル発生時の連絡先」を確認する
   • 大手業者の場合は「コールセンター・顧客サポート窓口」があるかチェック

3. 補償の対象範囲が限定されていた

   • 「家具の内部破損」「電子機器のデータ消失」「ガラス製品の割れ」などが補償外となるケースがあります。
   • また、作業中でなく「搬入後の不具合」は対象外とされることもあります。

   補償外になりやすい例：

   • 梱包が不十分だった（利用者責任とされる）
   • 家電の内部故障（動作確認をしていない）
   • 自分で運搬した荷物の破損

   対策：

   • 「補償対象外項目」を契約前に書面で確認する
   • 高額・精密機器は別途保険を検討する

4. アフターサポートがなかった

   • 大手業者では、引越し後のトラブルや相談に対応する「アフターサポート窓口」がある一方、格安業者ではサポート体制が整っていないことが多いです。
   • 「引越し当日で契約終了」とされ、引越し後の相談に一切対応しないケースもあります。

   よくある問題：

   • ダンボールの回収がなかった
   • 荷物の紛失連絡に対して対応が遅い
   • 引越し後の修理対応が有料

   対策：

   • 契約時に「引越し後のサポート有無」を確認する
   • 「無料ダンボール回収」「修理対応」「再訪問サービス」などの有無を比較する

5. 「下請け作業」で責任の所在が不明

   • 安さを売りにする業者の多くは、下請けや外注スタッフを使っています。
   • その結果、「破損したけど下請けの責任」「自社では対応できない」と言われるケースもあります。

   注意すべきサイン：

   • 見積もり時と作業スタッフが違う
   • 契約書に「協力会社による作業」と明記されている
   • 担当者が責任の所在を明確にしない

   防止策：

   • 「すべて自社スタッフが対応」かどうか確認
   • 下請け作業の場合は「補償の窓口」がどこか明確にしておく

口コミ・評判を調べずに契約してしまった

引越し業者を決める際、「価格が安い」「日時が空いている」といった条件だけで飛びついてしまうと、後になって…「思った対応じゃなかった」「対応が雑だった」「説明不足だった」といった後悔につながることがあります。

こうしたトラブルには、契約前に 引越し業界 の業者の口コミ・評判を調べなかったことが大きく関係しています。

ここでは、口コミを軽視した場合に起きやすい具体的な失敗と、その防止策を詳しく見ていきましょう。

なぜ口コミ・評判のチェックが重要なのか

• 実際の利用者の声がリアルなサービス状況を伝えてくれる
  　料金表やプラン説明だけでは見えない「現場の雰囲気」「スタッフの動き」「トラブル発生時の対応」が口コミには含まれています。
• 同業他社との比較ができる
  　複数業者の口コミを比べることで、「この業者だけ評価が低い」「この部分が強み／弱み」といった傾向が見えてきます。
• 契約前の“安心感”を高められる
  　「この業者を選んで大丈夫そうだ」という裏付けになる情報が口コミには含まれています。安心して契約を進めるためにも役立ちます。