エコ梱包資材の選び方と活用法ガイド

エコ梱包資材の選び方と活用法ガイド

引越しの準備では、多くの梱包資材を使用します。しかし、その多くが一度使って廃棄されるため、環境負荷が高くなりがちです。そこで注目されているのが、「エコ梱包資材」です。

エコ梱包資材とは、再利用可能・再生素材使用・プラスチック削減を意識した環境配慮型の資材のこと。使い方を工夫することで、CO₂排出を抑えながら、機能性とコストの両立も可能になります。

以下では、選び方の基準から実践活用法までを、段階的に詳しく紹介します。

【1】エコ梱包資材を選ぶ基本方針

エコ梱包を実現するためには、次の3原則を意識します。

  1. 使い捨てを減らす(再利用・返却できる素材)
  2. 再生資源を使う(再生紙・バイオ素材など)
  3. ゴミを出さない(分別が容易・自然分解するもの)

これらを満たす資材を選ぶことで、引越し1回あたりで発生するゴミを最大50%削減することができます。

【2】おすすめのエコ梱包資材一覧

資材名 特徴 環境効果 活用のコツ
再生ダンボール 再生紙100%使用。強度が高く再利用可 森林資源保護・CO₂削減 購入時に「再生紙使用率」を確認
クラフト紙テープ 紙製で分別不要。焼却時のCO₂が少ない プラスチック削減 プラテープよりも粘着が強いタイプを選ぶ
新聞紙・古紙緩衝材 家にある紙を再利用できる ゴミ削減・リユース促進 食器や本の隙間詰めに最適
バイオプチプチ(植物由来樹脂) 石油原料を減らした緩衝材 CO₂排出30〜50%減 家電・ガラス品保護に使用
布製カバー・エコバッグ 洗って繰り返し使用可能 長期リユースで廃棄ゼロ 家具や衣類カバー代わりに活用
プラコンテナ(リユースボックス) 借りて返却できる耐久容器 再利用ループ構築 業者の貸出サービスを利用
段ボール代替・折りたたみボックス プラ素材ながら繰り返し使用可 長寿命で廃棄頻度減 保管・収納にも再利用可能

【3】引越し業者の“リユース資材サービス”を活用

近年、多くの引越し業者がエコ梱包資材を標準提供しています。自前で購入せずに、レンタル・回収式の資材を利用するのも効果的です。

代表的なサービス例:

業者名 提供資材 特徴
アート引越センター 「エコ楽ボックス」シリーズ 布製で繰り返し使用可。ダンボール不要
サカイ引越センター 「リユース資材回収システム」 使用後の資材を無料回収・再利用
日通 「再生資源パッケージ」 再生紙・バイオ素材使用の資材を採用
クロネコヤマト引越サービス プラコンテナ貸出 使用後回収で廃棄ゼロを実現

【メリット】

  • ダンボール・緩衝材のゴミを減らせる
  • 回収式なので処分の手間がない
  • 破損・汚損時は業者が再生リサイクル対応

【4】“家にあるモノ”を再利用して梱包材にする

新たに買わずに、家の中にあるものを資材として再利用するのも、立派なエコ引越しです。

再利用アイデア例
  • 衣類・タオル → 緩衝材・保護用クロスとして利用
  • スーツケース・収納ボックス → 書籍・小物の運搬
  • 靴箱・米袋 → 替えダンボール代わり
  • スーパーの紙袋 → 仕分けや小物梱包に再利用
  • カーテン・シーツ → 家電・家具のほこり防止カバー
 

「買わない・使い切る・捨てない」を意識するだけで、梱包ごみが半減します。

【再利用しやすい“エコ梱包”の工夫】

資材を選ぶだけでなく、使い方にも工夫を加えることで、再利用効率が格段に上がります。

  • テープを最小限にし、箱を破壊せず開けられるようにする
  • ラベルは剥がしやすい再利用シールを使用
  • 緩衝材は袋にまとめて再保管できるようにする
  • 梱包後、どの箱が再利用できるかマーキングする

再利用率の目安:上記を意識するだけで、ダンボール再利用率が30〜50%に向上します。

【5】再生素材・自然素材の選び方ポイント

購入時に「エコ資材」を見分けるには、以下の表示や素材に注目します。

表示・素材 意味 確認方法
FSC認証マーク 持続可能な森林資源の木材使用 ダンボール・紙製品
再生紙マーク 古紙利用率が高い 梱包紙・箱
バイオマスマーク 植物由来樹脂の使用 プチプチ・袋
リユース対応品 回収・洗浄・再使用前提 プラボックス・カバー類
エコマーク認定 環境負荷低減製品の証明 テープ・包装材など
選定基準
  • “使い終わった後どうなるか”を意識して購入
  • 「処分が簡単・分解しやすい」素材を優先

【6】引越し後に資材を再利用・再配布する

引越し後、不要になった梱包資材も次の人に再利用してもらうことで、環境負荷をゼロに近づけられます。

再利用・再配布の方法
  • 地域掲示板(ジモティー・ラクマ)で「無料譲渡」
  • 引越し業者に返却(回収制度を活用)
  • リサイクルボックスへ出す(ダンボール・紙製資材)
  • 次回引越し・発送用に保管
 
  • 状態が良いものは次回も再使用可能(3〜5回が目安)
  • 汚れ・破損がある場合は分解して資源ごみへ

【7】エコ梱包で得られる環境・経済効果

エコ資材の導入により、環境と家計の両方で効果が得られます。

項目 通常資材使用 エコ資材使用 削減効果
資材廃棄量 約30〜40kg 約15kg以下 約50〜60%削減
CO₂排出量 約25kg 約10kg 約15kg削減
資材コスト 約5,000円 約3,000円 約40%節約
追加効果
  • ゴミ出し作業の手間軽減
  • 引越し後の整理がスムーズ
  • 再利用で次回引越しコストも軽減

【“エコ梱包”を習慣化するために】

引越しだけで終わらせず、日常生活にもエコ梱包の考え方を取り入れることが大切です。

  • 通販購入時の梱包資材を保管して再利用
  • フリマ・発送で紙・布資材を再活用
  • 家庭内で“梱包資材ストック箱”を常設
  • 次回引越しに向けて「再利用可能な資材リスト」を作成

この習慣を続けることで、“使い捨てない暮らし”の基盤が整います。

目次

再生紙・布・リユース素材など、循環型資材を選ぶ

引越しの梱包では、どうしても多くの資材を使いますが、それを「使い捨て」で終わらせず、循環型の資材を選ぶことで、環境への負荷を大幅に減らすことができます。

再生紙・布・リユース素材を中心にした循環型資材は、製造から廃棄までのサイクルの中で資源を再利用・再生し、CO₂排出を抑えるよう設計されています。

以下では、それぞれの特徴と、実際に引越しでどう活用できるかを詳しく解説します。

【1】再生紙系資材:最も導入しやすい循環型素材

再生紙は、古紙や回収ダンボールを再加工して作られた素材で、製造時のエネルギー消費量とCO₂排出量が新品紙の半分以下です。

主な種類と特徴:

資材 特徴 活用例
再生ダンボール 再生紙100%使用。軽くて丈夫。リサイクル回収可能 一般的な梱包箱・収納用ボックス
再生クラフト紙 紙原料の再生率が高く、破れにくい 食器・本・小物の包み紙
古紙緩衝材(シュレッダー紙など) 自宅で出た紙を再利用できる すき間詰めや緩衝用途
再生紙製の緩衝ロール(ハニカムペーパー) プチプチの代替品。紙製で通気性あり ガラス製品・陶器の保護材
 
  • 「再生紙使用率○%」「古紙パルプ配合」と記載されたものを選ぶ
  • 「FSC認証」「エコマーク」付きなら持続可能な森林資源利用の証明
  • 光沢紙・コーティング紙はリサイクル困難のため避ける

【メリット】

  • リサイクル率が高く、再資源化ループが確立
  • 燃やしても有害ガスが出にくい
  • 再利用後に資源ごみとして出しやすい

【2】布製資材:繰り返し使える“ゼロウェイスト”素材

布は、洗って何度も使える「完全リユース型」資材です。破損や汚れがあっても、再縫製・リメイクで再利用可能。廃棄時も焼却CO₂が少なく、自然素材なら土に還ります。

主な活用アイテム:

布資材 特徴 活用方法
布製カバー・風呂敷 家具・家電の傷防止に最適。サイズ自在 冷蔵庫や机の保護カバーに使用
古シーツ・バスタオル 緩衝材やほこり防止に再利用 家電や鏡の包み込みに活用
布製収納袋・エコバッグ 小物や衣類をまとめるのに便利 ダンボール代わりに再使用
不織布製ボックス 通気性があり折り畳み可 収納・保管・再搬送に再利用可能
布資材を選ぶコツ

  • 洗濯・再利用が容易なコットン・リネン素材を選ぶ
  • 撥水加工やPVCコーティングが少ないものが環境にやさしい
  • 引越し後も収納用品・車内用カバー・アウトドア用途に再活用

エコ効果の目安:

  • 再利用回数5回以上 → プラスチック製カバー比でCO₂排出約60%削減

【3】リユース素材:返却・共有できる次世代型資材

リユース素材は、「使ったあと返却・再使用」することを前提にした資材です。引越し業者やレンタルサービスが提供しており、廃棄ゼロ・ゴミ出し不要という利便性があります。

代表的なリユース資材:

資材 特徴 活用シーン
プラコンテナボックス 洗浄して何度も使用可能。折り畳み可 書類・衣類・日用品の梱包
エコバッグ型収納ケース 軽量で再利用しやすい 小物・書籍・衣類用
エコパレット・樹脂コンテナ 耐久性が高く破損しにくい 企業・オフィス移転で使用
業者提供のリユースボックス 回収・再利用の仕組み付き 梱包・解梱がスムーズに行える

利用方法:

  • 引越し契約時に「リユース資材貸出」を希望
  • 使用後は業者が回収・再利用(多くは無料)
  • 繰り返し利用により最大で10回以上再循環

【メリット】

  • ゴミゼロで処分の手間がない
  • プラダンボール型でも、繰り返し利用で廃棄量を1/10に削減
  • 「借りる」ことで保管スペースも不要

【4】素材別の環境効果比較

素材 再利用回数 CO₂排出削減率 備考
再生紙ダンボール 3〜5回 約40〜50% 最も手軽で導入しやすい
布製カバー・袋 10回以上 約60〜70% 洗って再利用可
プラコンテナ(リユース型) 20回以上 約80% 長期利用で最も高効率
通常ダンボール(未再生) 1回 基準値(削減なし) 使い捨てで環境負荷大
 

同じ用途でも、“再利用できるかどうか”が環境負荷を決定します。1回使い切りの資材を選ぶよりも、3回使える資材を1つ持つほうがサステナブルです。

【5】循環型資材を選ぶ際のチェックリスト

エコ資材を選ぶときは、以下の5点を確認することで、環境・品質の両立が可能です。

  1. 再生素材が明示されているか(再生紙・再生樹脂など)
  2. 繰り返し使用ができるか(洗浄・折り畳み可能)
  3. リサイクル回収ルートがあるか(業者・自治体)
  4. 有害物質やコーティングがないか
  5. 廃棄時に分別しやすいか
 

特に「FSC認証」「エコマーク」「バイオマスマーク」がある資材は、第三者機関によって環境配慮が保証された製品です。

【引越し後も活かせる“循環資材の再利用法”】

選んだエコ資材は、引越し後も日常生活で活かすことで真のサステナブル化が可能です。

  • ダンボール → 収納箱・工作素材・リサイクル回収へ
  • 布カバー → カーテン・車内マット・掃除用クロス
  • プラコンテナ → 押入れ収納・ベランダ収納
  • 再生クラフト紙 → 包装紙・ラッピング・メモ用紙

1回限りで終わらせず、「資材を生活の一部に戻す」ことが、循環の核心です。

【6】環境とコストの両立効果

再生紙やリユース素材を導入することで、引越し1回あたりの資材費とCO₂排出量をともに約30〜50%削減できます。

項目 通常資材使用時 循環型資材使用時 削減効果
資材廃棄量 約30kg 約15kg以下 約50%削減
CO₂排出量 約25kg 約12kg 約13kg削減
資材コスト 約5,000円 約3,000円 約40%節約
 

次回引越し時にも再利用できるため、長期的にはコストゼロに近づく点も魅力です。

引越し業者のリユース資材制度を積極的に活用

サステナブルな引越しを実現するための最も効果的な方法のひとつが、「引越し業者が提供するリユース資材制度」を利用することです。

従来の引越しでは、使い捨てのダンボールやプチプチなどを大量に消費していましたが、多くの業者が今、「再利用できる梱包資材」や「回収・再生の仕組み」を整えています。

これを活用することで、廃棄物を減らしながら、CO₂排出量と作業コストの両方を削減できます。以下では、リユース資材制度の内容、業者別の特徴、活用の流れ、そして実際の効果を詳しく解説します。

【1】リユース資材制度とは

リユース資材制度とは、引越し業者が提供する「再利用可能な梱包資材を貸し出し・回収し、繰り返し使う仕組み」のことです。この制度を活用することで、

  • ダンボールや緩衝材などの使い捨て資材を削減
  • 使用後の廃棄や分別の手間を軽減
  • 資源を循環させて環境負荷を大幅に低減

することができます。

再利用される主な資材例

  • 布製カバー(家具・家電保護用)
  • プラスチック製コンテナボックス(衣類・小物梱包用)
  • 再生紙製パッド・緩衝マット
  • エコボックス(折りたたみ式リユース容器)
  • ハンガーボックス(衣類用)

これらは平均して5〜20回以上再利用されるため、1回使い切りの資材に比べてCO₂排出量を最大80%削減する効果があります。

【2】代表的な引越し業者の取り組み

近年、大手業者を中心に「リユース資材」を標準装備する企業が増えています。それぞれの特徴を知っておくことで、自分に合ったエコ引越しを選択できます。

業者名 主なリユース資材 特徴・制度内容
アート引越センター 「エコ楽ボックス」シリーズ(布製・繰り返し利用) ダンボール不要。家具・靴・食器用ボックスあり。再利用回数は平均10回以上。
サカイ引越センター 再利用ダンボール・プラボックス回収制度 引越し後に使用済み資材を無料回収。古紙リサイクル工場で再生紙化。
クロネコヤマト引越サービス プラコンテナ・折りたたみ式エコボックス 繰り返し利用型ボックスを提供。使用後は全数回収し、清掃・再利用。
日本通運(日通) リユース緩衝材・再生パッド・再利用箱 企業・個人問わず環境基準を設定。CO₂排出量の見える化にも対応。
アリさんマークの引越社 衣装ケース・布カバー貸出制度 使い捨て資材をほぼゼロにすることを目指す。

共通点:

  • 無料または低価格で利用可能
  • 使用後の回収・再生まで一貫対応
  • 一部では「使用回数のトラッキングシステム」で資材循環を管理

【3】利用の流れと実践手順

リユース資材制度の活用は、申し込み時に一言伝えるだけで簡単に導入できます。

ステップ1:業者選定時に確認見積もり依頼の際、「リユース資材制度を利用したい」と伝える。→ 各社の提供内容(ボックス種類・数量・貸出期間)を比較。
ステップ2:資材の受け取り引越し前に、貸出資材(コンテナ・布カバーなど)が届く。→ ダンボールの代わりに荷物を詰める。
ステップ3:引越し当日の使用スタッフが専用ボックスで家具・家電を梱包。→ 資材は搬出・搬入時にそのまま利用。
ステップ4:引越し後の回収作業完了後、数日以内に業者が資材を回収。→ 洗浄・点検後、次回利用へ再投入。

 
  • 回収は無料の場合が多い
  • 汚れや破損があっても修繕・再生可能
  • 使用後のゴミ出しがほぼ不要

【リユース資材の具体的なメリット】

① 廃棄物の大幅削減
通常の引越しで発生するダンボール・緩衝材廃棄量は約30〜50kg。リユース資材を使えば、そのほとんどを削減可能。
② CO₂排出削減
業者によると、リユース資材を1回利用するごとにCO₂排出量を約20〜30kg削減できると試算されています。
③ コスト削減効果

  • ダンボール・テープなどの購入費が不要
  • ゴミ出しや分別の手間も削減
  • 一部業者では「エコプラン割引」など特典あり

④ 作業効率の向上

  • 専用ボックスは持ち手付きで運搬が楽
  • 組み立て不要で短時間梱包が可能
  • 強度が高く、破損リスクが低い

【活用する際の注意点】

  • 一部地域やプランでは利用できない場合があるため、事前確認が必須
  • 食器・衣類などは専用ボックスの数に限りがあるため、早めの予約が必要
  • 回収日を忘れると、保管費が発生するケースがある
  • 個人での使い回しは禁止(衛生・管理上の理由)

コツ:

  • 事前に「必要なボックス数」を相談し、過不足を防ぐ
  • 汚れた資材は簡単に拭き取って返却(再利用を助けるマナー)

【4】リユース資材活用による環境効果(試算)

項目 通常資材使用時 リユース資材使用時 削減効果
ダンボール使用量 約50箱 約5箱未満 約90%削減
緩衝材使用量 約10kg 約2kg 約80%削減
資材廃棄量 約30kg 約5kg 約83%削減
CO₂排出量 約25kg 約8kg 約68%削減

結果:1回の引越しで約17kg分のCO₂削減=杉の木約3本が1年で吸収する量に相当。

【5】企業・オフィス移転でも効果的

リユース資材制度は、小規模オフィス移転や法人引越しにも適しています。書類・パソコン・什器などを専用コンテナに詰めることで、段ボールよりも安全で効率的に運べます。

【追加メリット】

  • 社内でのエコ活動アピールにつながる
  • CSR(企業の社会的責任)報告にも反映可能
  • 「環境配慮型オフィス移転」としてブランディング効果あり

【活用のまとめと次につなげる工夫】

引越し後は、リユース資材を返却するだけでなく、次回も「再利用を前提とした引越し」を意識することで、持続的な効果が得られます。

次につなげる行動

  • エコ対応業者をリピート利用
  • 家族・知人にリユース資材制度を紹介
  • 引越し後も再利用可能な資材(布袋・収納ケース)を保管

家にあるモノを梱包資材に再利用して購入を減らす

引越し準備では、ダンボール・緩衝材・テープなど、想像以上に多くの梱包資材が必要になります。

しかし、これらをすべて新しく購入してしまうと、コストも環境負荷も増大します。そこでおすすめなのが、家にあるモノを梱包資材として再利用し、購入を最小限に抑える方法です。

身近なアイテムを工夫して使うことで、「お金をかけず」「ゴミを出さず」「安全に運ぶ」ことが可能になります。以下では、再利用できる家庭内資材の具体例と、実践方法を詳しく紹介します。

【1】再利用の基本方針

家庭にあるモノを上手に再利用するには、次の3つの原則を意識します。

  1. “買わない”で代用する(新規購入を抑える)
  2. “壊さない”で使う(再利用しやすくする)
  3. “再活用できる形”で保管する(引越し後も使える)
 

3原則を守るだけで、1回の引越しに必要な梱包資材量を最大40〜60%削減できます。

【2】衣類・布類を「緩衝材」として活用

タオルや毛布、シーツ、服などの布製品は天然の緩衝材になります。これらを使えば、プチプチや新聞紙をほとんど買う必要がありません。

活用方法:

家にあるモノ 再利用方法 適用シーン
バスタオル・フェイスタオル 割れ物・食器を包む キッチン用品、花瓶、ガラス小物
シーツ・ブランケット 家具・家電のほこり防止・保護 テレビ、冷蔵庫、棚など
古着・Tシャツ 空きスペースの緩衝材に詰める ダンボール内部のすき間埋め
靴下 コップや瓶を差し込む 細かいガラス製品の保護
 
  • “包む・挟む・敷く”という三役を衣類で代用する
  • 荷解き後も洗ってすぐ使える
  • 破れた布は掃除用クロス再梱包資材として再利用可能

【3】紙袋・新聞紙・チラシを「緩衝・仕切り」に活用

家庭に溜まりがちな紙袋や新聞紙も、実は優秀なエコ資材です。

使い方の例

  • 新聞紙をくしゃくしゃにして箱のすき間に詰める
  • 雑誌のページを重ねて本や皿の間に挟む
  • 紙袋を切って板状にし、食器やガラスの仕切りに使用
  • 封筒を切って「小物整理用袋」に再利用

【注意点】

  • 食器類に使う場合はインク面を内側にしない(汚れ防止)
  • 湿気を含むと強度が下がるため、乾いた状態で使用
  • 新聞紙・チラシは使用後に資源ごみとしてリサイクル可能

【4】スーツケース・収納ボックスを「箱代わり」に

ダンボールを購入せずに済む最も効果的な方法は、“すでにある収納用品を運搬容器として使う”ことです。

代用例:

家にある容器 再利用方法 メリット
スーツケース 書籍・重量物を運ぶ キャスター付きで運搬が楽
衣装ケース 衣類・寝具・雑貨を収納 フタ付きで防塵・防湿
収納ボックス 小物や日用品をまとめる そのまま新居で再利用可
かご・トートバッグ 調味料・文房具など小物入れに 軽くて運びやすい
 
  • “そのまま持ち出せる箱”を使えば、梱包も解梱も簡略化
  • プラスチックケースは濡れても破れず繰り返し使える
  • ダンボールの使用量を30〜50%削減可能

【5】キッチン用品や日常品を「包む・保護」に再利用

キッチン周りのアイテムも、意外と梱包に役立ちます。

代用アイデア

  • ラップ・アルミホイル:食器の間に挟むと滑り防止
  • 保存容器・ジップ袋:調味料や細かい部品を収納
  • 紙皿・紙コップ:積み重ねて仕切り代わりに
  • キッチンペーパー:ガラス・陶器類の緩衝材
  • 段ボール再利用(通販の箱):破れがなければ再使用可能
 
  • できるだけ新しいプラスチック素材を買わずに代用
  • 引越し後は再び日常的に使用できるものを選ぶ

【6】家電・家具の保護に“身近な素材”を再利用

大型家具・家電の保護には、家庭にある素材を使う工夫ができます。

実践例

  • カーテン・毛布 → テレビ・棚・鏡などの表面保護
  • ヨガマット・段ボール板 → 家電や机の下敷きに
  • クッション・枕 → 壊れやすい角をカバー
  • 梱包ひも代わりに不要なストッキングや布紐を利用

コツ:

  • 家電の角や角ばった部分は柔らかい布で保護
  • 伸縮性のある布を使うとズレにくい
  • 無理にテープで固定せず、紐やゴムで留めると再利用しやすい

【「再利用」を前提にした梱包のコツ】

家庭のモノを再利用する際は、「再び使える状態を保つ」ことを意識します。

  • テープは最小限(再利用しやすい)
  • ラベル・メモを貼るときは紙ラベルを使用(剥がしやすい)
  • 柔らかい布や紙は袋にまとめておく(次回も使える)
  • 使用後は「再利用ボックス」として保管

こうした工夫で、次回引越しや荷物整理にも再使用ができます。

【7】コスト・環境効果の試算

家庭内再利用を徹底すれば、資材費とCO₂排出量の両方を大幅に抑えられます。

項目 通常購入時 家庭再利用時 削減効果
資材費 約5,000〜7,000円 約1,000円以下 約80%削減
ダンボール使用量 約40箱 約20箱以下 約50%削減
緩衝材購入量 約10kg 約3kg以下 約70%削減
CO₂排出量 約25kg 約10kg以下 約60%削減

経済的にも環境的にも、非常に高い効果が得られることがわかります。

【再利用を“次につなげる”工夫】

引越し後も、この「再利用の発想」を習慣化することで、日常生活の中でも資源を無駄にしないサイクルが生まれます。

  • 通販の箱・包装紙は保管して次回引越し用にストック
  • シーズンごとに「使わない布・袋」を再梱包用に回す
  • 使い終わったダンボール・袋をフリマ発送用に再利用
  • 家族で「再利用素材コーナー」を決めて共有保管

開封しやすく、再利用を前提とした梱包を意識

サステナブルな引越しでは、「梱包の仕方」そのものを工夫することが重要です。いくらエコ資材を使っても、開封の際に破損したり再利用できなければ、結果的に“使い捨て”と同じになってしまいます。

そこで大切なのが、「開封しやすく」「再利用を前提とした」梱包設計です。引越し後の片付け効率も高まり、ゴミを最小限に抑えられる方法を以下で詳しく紹介します。

【1】「再利用前提の梱包」とは

再利用を前提とした梱包とは、使った資材を壊さずに取り外せる梱包方法のことです。“開けやすい・分別しやすい・壊さない”という3つの視点が基本になります。

目的は3つ:

  1. 資材を再利用できる(破損・汚損を防ぐ)
  2. 荷解きを効率化(時短・ストレス軽減)
  3. ゴミの分別を容易に(リサイクルを促進)
 

引越し作業を楽にしながら、次回も使える資材を残すという考え方がポイントです。

【2】テープの使い方を工夫して“壊さない梱包”に

再利用の妨げになる最大の原因は、テープの使いすぎです。強く貼りすぎると、箱を開ける際に破損し、再利用できなくなります。

開封しやすいテープ活用法:

方法 内容 メリット
「I字貼り」 ダンボール中央を1本貼りで封をする 開封時に1本剥がすだけで済む
「持ち手タブ」 テープ端を3cmほど折り返す ハサミ不要で簡単に開封できる
「クラフト紙テープ」使用 紙製なのでリサイクル可能 分別が楽で環境にやさしい
「再剥離テープ」利用 接着力が強すぎず、再利用可能 ダンボールの破損を防げる
 
  • “密閉”よりも“保護”を目的に貼る
  • 箱の底は「十字貼り」で強度を確保し、上面は最小限に
  • テープ跡が残らないタイプを選ぶと再使用率が上がる

【3】ラベル・メモは「剥がしやすい」素材で

ダンボールやボックスに内容を書き込む際、油性ペンで直接書くと再利用時に見栄えが悪く、用途が限られてしまいます。

おすすめの方法
  • 再利用可能なラベルシールを使用(粘着が弱く再剥離可能)
  • 付箋やマスキングテープで中身を記載(後ではがせる)
  • ラベルホルダー付きの収納ボックスなら差し替えが簡単
  • 箱に直接書かず、「番号シール+一覧表」で管理する

寝室/衣類(春物)
→ 引越し後に再利用する際、ラベルを剥がすだけで新用途に転用可能。

【4】「開けやすい順番」で積む・詰める

引越し当日にすぐ開けたい箱を一番上に積み、開封の優先度をあらかじめ設定しておくと、ムダな開封や破損を防げます。

開封しやすい詰め方のコツ
  • 開ける頻度が高い箱(生活必需品)を上に置く
  • 箱の向きは全て「開け口が同じ方向」に揃える
  • 重いもの→下、軽いもの→上の順に積む
  • 「★印」や「OPEN」などの開封目印を箱の角に書く
 

荷解き時に“どれを開けるか迷わない”ため、資材の扱いも丁寧になり、再利用率が高まります。

【5】緩衝材・包材も「折り畳み・再利用」を意識

プチプチや新聞紙を単に詰めるのではなく、再利用できる形に保つことを意識して梱包します。

具体的な工夫
  • プチプチを「丸めず折る」ことで再使用しやすくなる
  • 新聞紙は軽くくしゃっとして袋に入れ、再利用しやすい状態に
  • 布・タオル・古着を緩衝材代わりに使い、そのまま洗って再使用
  • 段ボールのすき間に差し込む紙は、のり付けせず取り出しやすく
 

「固定」ではなく「保護」を目的に詰めることで、開封時の破損を防ぎ、緩衝材を2〜3回再利用できるようになります。

【6】再利用しやすい資材を選ぶ

梱包段階で、再利用を前提とした素材を選ぶことも効果的です。

資材 特徴 再利用性
クラフト紙テープ 紙製でリサイクル可・剥がしやすい
再生ダンボール 強度があり、数回使用可能
布製カバー・エコバッグ 洗って再利用できる 非常に高い
バイオ緩衝材(コーンスターチなど) 自然分解しやすい 高(環境負荷小)
 
  • 「分別不要」「再生素材」「繰り返し使用可」がキーワード
  • 再利用を意識すれば、1回の引越しで資材費を約40%削減できる

【7】荷解き時の“再利用ステップ”を意識

再利用を成功させるには、開封時にも工夫が必要です。

荷解き時のポイント
  • 開封したら、ダンボールを破らずにたたむ
  • 緩衝材はまとめて袋に入れ、再利用ボックスへ保管
  • テープ・ラベルを分別(紙・プラ)してリサイクルへ
  • 「再利用可能/破損/汚損」の3分類で資材を整理

これにより、再利用率は平均30%→70%以上に向上します。

【再利用を習慣化する“エコ梱包サイクル”】

  1. 梱包時:壊さない・貼りすぎない
  2. 開封時:丁寧に剥がし・分別
  3. 引越し後:折り畳んで保管
  4. 次回引越し・発送・収納で再利用

このサイクルを続けることで、「梱包資材=消耗品」から「循環資源」へ意識が変わります。

【8】効果の目安(環境・コスト両面)

項目 通常梱包 再利用前提梱包 削減効果
ダンボール廃棄量 約30kg 約10kg 約65%削減
緩衝材使用量 約10kg 約4kg 約60%削減
CO₂排出量 約25kg 約12kg 約50%削減
資材コスト 約5,000円 約3,000円以下 約40%節約
 

環境にも家計にもやさしい「一石二鳥の引越し」が実現します。

引越し後は譲渡・返却・リサイクルで廃棄ゼロへ

引越しが終わると、どうしても出てしまうのが「不要になった梱包資材」や「使い終わった段ボール」。しかし、それらをすぐにゴミとして処分してしまうのはもったいない行為です。

今の時代、譲渡・返却・リサイクルを組み合わせれば、廃棄を“ほぼゼロ”に近づけることが可能です。

ここでは、引越し後にできる具体的な資材の再活用法と、資源を循環させるための仕組みづくりを詳しく解説します。

【1】引越し後の梱包資材は「資源」として見る

引越し作業を終えた段階で、資材を「ゴミ」ではなく「次に使える資源」として扱うことが大切です。
多くの梱包資材は、

  • 再生紙や再生樹脂などの再利用可能素材
  • 洗えば何度でも使える布・プラスチック素材
  • 回収ルートが確立しているリユース資材

でできています。したがって、廃棄する前に「誰かが使えるか」「再利用ルートがあるか」を確認するだけで、廃棄量を半減させることができます。

【2】【譲渡】:地域やネットを通じて“次の人へ渡す”

不要になったダンボールや緩衝材は、譲渡することで再利用の輪を広げることができます。

主な譲渡先と方法:

譲渡先 方法 特徴
地域掲示板(ジモティー・ラクマ・メルカリ) 無料または低価格で譲渡 個人間で気軽に取引可能
マンション・自治会掲示板 「段ボールあります」と掲示 同じ建物内の住人が再利用しやすい
知人・友人への声かけ SNSやLINEで共有 信頼関係の中で安全に譲渡できる
保育園・学校・工作教室 工作用素材として寄付 段ボール・布・紙袋が特に需要あり

【譲渡時の注意点】

  • ダンボールは破れ・汚れがないものを選ぶ
  • 緩衝材・布類は清潔な状態で渡す
  • 取引の際は個人情報(ラベルなど)を削除
 

譲渡を積極的に行うことで、1人分の引越しで最大10〜20箱分の廃棄を削減できます。

【3】【返却】:引越し業者やレンタル資材を戻す

業者から借りたリユース資材は、必ず返却することで資源循環の一部となります。

返却対象となる主な資材
  • プラスチック製エコボックス
  • 布製カバー・食器用リユースボックス
  • ハンガーボックス・衣装ケース
  • 緩衝材・再利用用パッド

返却の流れ:

  1. 引越し完了後、業者へ「資材回収希望」を連絡
  2. 指定日に回収(無料対応が多い)
  3. 洗浄・点検後、次の利用者へ再投入

【返却のメリット】

  • ゴミ処分の手間が不要
  • 資材が再生利用され、平均10〜15回再利用される
  • 一部業者では「エコ返却割引」や「ポイント還元」もあり
  • アート引越センター:「エコ楽ボックス」回収制度
  • サカイ引越センター:使用済み資材を無料引き取り
  • クロネコヤマト:「再利用ボックス」全数回収
 

返却するだけで、自分が使った資材が再び誰かの引越しを支える循環資源に変わります。

【4】【リサイクル】:素材ごとに分別して再資源化

譲渡や返却が難しい場合でも、リサイクルに回せば資源として再生できます。

素材別の処理方法:

資材 処理方法 注意点
段ボール・紙製資材 資源ごみ・古紙回収へ テープやラベルを剥がす
クラフト紙テープ 紙資源としてOK プラテープは別分別
プチプチ・ビニール緩衝材 可燃ごみまたはリサイクルBOX 素材(PE/PP)で分ける
布・タオル・衣類 リサイクルショップ・古着回収BOXへ 濡れ・汚れがあるものは除外
プラボックス・コンテナ 再生プラスチック処理または返却 破損時は業者に相談

コツ:

  • 「燃えるごみ」ではなく「資源ごみ」扱いを優先
  • 梱包材は素材別に袋分けして出す
  • 地域のリサイクルルール(紙とプラの分別)を確認

これだけで、処分時のCO₂排出量を約40〜50%削減できます。

【5】【再利用】:自分の生活の中で再活用

リユースの最も手軽な形が、「自分で再利用する」ことです。

再利用アイデア例
  • ダンボール → 押入れ収納・仕切り箱に再活用
  • プチプチ → 物置・車内の保護シートとして再利用
  • 布・タオル → 掃除・家具カバー・引き出し保護に再利用
  • 紙袋 → 書類整理・フリマ梱包材に再使用
  • エコボックス → 収納ケース・季節用品保管に転用
 
  • 使い終わったら“別の形で再び使う”意識を持つ
  • 「一時的なモノ」ではなく「次に活かすモノ」として扱う

再利用できるものを1つでも多く残せば、「廃棄=ゼロ」に近い引越し」が実現します。

【再生の流れをつくる「循環ステップ」】

引越し資材を最後まで使い切るには、次の流れを意識します。

ステップ1:仕分け
  • 使用後すぐに「譲渡・返却・リサイクル」に分類
ステップ2:清掃・保管
  • 汚れを軽く拭き取り、折り畳んで保管
ステップ3:共有・発信
  • SNS・地域掲示板で「再利用できます」と情報を出す
ステップ4:再使用・再投入
  • 次の引越し、発送、収納に再利用

この流れを習慣化することで、引越しのたびに資材購入コストと廃棄物量の両方を継続的に削減できます。

【6】環境・経済的効果の目安

項目 通常(廃棄中心) 譲渡・返却・リサイクル活用 削減効果
資材廃棄量 約30kg 約5kg以下 約80%削減
CO₂排出量 約25kg 約10kg以下 約60%削減
資材費用 約5,000円 約3,000円以下 約40%節約
処分作業時間 約2時間 約30分 約75%短縮

数字で見ると、環境にも家計にも大きなメリットがあります。

【“廃棄ゼロ引越し”を定着させるコツ】

  1. 引越し前から「リユース可能な資材」を選ぶ
  2. 使用後すぐに「回収・譲渡先」をリスト化
  3. 使わない資材を「捨てる前に投稿」する
  4. 引越し後も「再利用ボックス」を常設しておく

これらを意識しておくことで、引越しが終わっても資源が循環し続ける生活を維持できます。

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