引越し業者を選ぶとき、多くの人が「料金の安さ」だけに目を向けがちです。
しかし、安さや知名度だけで決めてしまうと、実際の作業でトラブルが起きたり、満足度の低い引越しになってしまうケースも少なくありません。
ここでは、「業者選びを間違えた人」がどんな失敗を経験したのか、その具体例と対策を紹介します。
目次
よくある失敗1:見積もり後の追加料金で高くついた
「安い見積もりだったのに、当日になって金額が跳ね上がった…」というのは、引越しで最も多いトラブルのひとつです。
見積もり時に料金の根拠や条件をしっかり確認していないと、思わぬ追加費用が発生し、結果的に割高な引越しになってしまうことがあります。
ここでは、なぜ追加料金が発生するのか、どんなケースが多いのかを詳しく解説します。
追加料金が発生しやすい主なケース
引越し費用は「作業条件」と「追加作業の有無」によって変動します。以下のような状況では、見積もり後に追加料金が発生することがあります。
- 荷物量が見積もりより多かった
- 自己申告制の電話・ネット見積もりで、荷物量を少なめに伝えてしまうと、当日トラックに積み切れず追加便や大型車両が必要になる場合があります。
- 建物の構造や環境が見積もりと異なっていた
- エレベーターが使えなかった、駐車スペースが離れていたなど、現地状況が違うと「階段作業料」「長距離搬送費」などが加算されます。
- 作業時間や日程による追加
- 夜間・早朝・休日などは時間外料金が発生することも。特に繁忙期(3月〜4月)は通常料金より割高になります。
- 家電・家具の取り外し・設置費
- 洗濯機・エアコン・照明などは基本料金に含まれていないことが多く、オプション扱いになります。
- 梱包資材や人員の追加
- 荷造りサービスを途中で追加したり、作業員を増やす場合にも追加費用がかかります。
- 見積もり時は「2トントラックで十分」と言われたが、当日入りきらず「追加トラック1台で+3万円」
- エレベーター使用不可のマンションだったため「階段作業料1階あたり+1,000円×5階」で追加請求
- 「エアコンの取り外し込み」と思い込んでいたが、実際は別料金で+8,000円発生
【追加料金を防ぐための確認ポイント】
- 訪問見積もりを依頼する
現場確認をしてもらえば、荷物量・階段有無・車両サイズなどを正確に把握できます。 - 「基本料金に含まれる範囲」を明確にする
梱包・搬出・設置・養生・回収など、どこまでが料金内か書面で確認しましょう。 - 追加料金の条件を聞く
「どんな場合に追加料金が発生しますか?」と具体的に質問しておくと安心です。 - 契約書・見積書に明記してもらう
口頭ではなく、作業内容と金額をすべて書面で残すことでトラブルを防げます。
【注意点】
- 電話やネットのみの「概算見積もり」は目安に過ぎず、正確な金額ではない
- 「格安プラン」ほどサービス範囲が限定されている傾向がある
- 当日の作業スタッフは見積もり担当者とは別の場合が多く、現場での認識違いが起きやすい
よくある失敗2:作業スタッフの対応に不満
引越し業者を選ぶ際、見積もり金額やサービス内容ばかりに注目してしまいがちですが、実際の満足度を大きく左右するのは「当日の作業スタッフの質」です。
いくら会社の評判が良くても、現場スタッフの対応が悪ければ「二度と頼みたくない」と感じてしまうことも少なくありません。ここでは、作業スタッフに関する代表的な不満と、その防止策を詳しく解説します。
- 作業が雑で家具や床に傷をつけられた
養生(壁や床の保護)が不十分だったり、重い家具を引きずってしまうなど、丁寧さに欠ける作業が原因。
後日修理を依頼しても「証拠がない」と言われ、補償されないケースもあります。 - スタッフの言葉遣いや態度が悪い
態度が横柄、返事が雑、指示に不満げな表情を見せるなど、接客マナーに不快感を持つケース。
特にアルバイト中心のチームでは、教育が行き届いていないことがあります。 - チーム内の連携が悪く、作業が遅れた
現場リーダーの指示が不明確だったり、スタッフ間で連携が取れず、作業が長引くケースも。
結果的に延長料金が発生したり、予定していた時間に新居へ到着できないこともあります。 - 破損トラブルへの対応が不誠実だった
「もともと傷があった」「気づかなかった」と認めない対応で、補償がスムーズに進まない例も。
なぜスタッフの対応に差が出るのか
- 業者によっては作業を外部委託している
下請けや派遣スタッフが作業を担当する場合、教育方針が異なり品質のばらつきが出やすい。 - 繁忙期は臨時スタッフが多い
3〜4月などの繁忙期には短期アルバイトが多く、経験不足からミスや接客トラブルが起きやすい。 - 教育体制・マナー研修の差
大手業者でも、支店ごとにスタッフ教育の徹底度が違うため、品質が一定でないことがあります。
対策1:事前に口コミで「スタッフ対応」をチェック
見積もり料金やプラン比較だけでなく、「作業スタッフ」「対応マナー」「破損対応」などの口コミを重点的に確認しましょう。
特に以下のような点が評価されている業者は安心です。
- 作業スピードと丁寧さを両立している
- リーダーが現場全体をしっかり指揮している
- 家具の保護・養生が丁寧
- 作業中の声かけや確認がこまめ
対策2:見積もり時に「担当体制」を確認する
見積もりを取る際に、次の点を確認しておくと安心です。
- 当日作業するのは「自社スタッフ」か「委託スタッフ」か
- チームリーダーが同行するかどうか
- 万が一の破損時にどのような対応・補償を行うか
対策3:当日の現場でのチェックポイント
- 作業開始前に「家具の配置」や「搬出経路」を一緒に確認する
- 家具・家電の取り扱い方を明確に伝える
- 気になる部分(壁・床など)を写真で記録しておく
- 作業後に必ず現場を確認し、破損や汚れがないかチェック
【注意点】
- 「大手=安心」とは限らず、支店や現場チームによって対応の質に差がある
- 「繁忙期」はスタッフの入れ替わりが多く、トラブル発生率が高い
- 当日の作業担当者が違う場合もあるため、前日確認の連絡が有効
よくある失敗3:サービス内容が合っていなかった
「この料金ならお得だと思って契約したのに、実際は“最低限の作業だけ”だった」。そんな引越し後の後悔も少なくありません。
引越し業者ごとに、そして同じ業者でもプランごとにサービス内容の範囲が大きく異なるため、内容をよく確認せずに契約すると「思っていた引越し」と実際のサービスにズレが生じます。
ここでは、サービス内容のミスマッチで起こりがちな失敗例と、その防止策を詳しく解説します。
- 荷造りや開梱が含まれていなかった
「荷造りを手伝ってもらえると思っていた」という勘違いは非常に多いです。
多くの格安プランは“運搬のみ”が基本で、箱詰め・開梱は利用者自身で行う必要があります。 - エアコン・照明・洗濯機の取り外しが別料金だった
家電の取り外しや取り付け作業は、オプション扱いが一般的です。
「引越し代に含まれていると思ったら別途数千円〜1万円」というケースもあります。 - 段ボールや資材の提供がなかった
一部の格安業者では、段ボール・ガムテープなどの資材が有料。
準備を怠ると、当日に資材不足で慌てることになります。 - 不用品の回収や買取が対応外だった
不用品をまとめて処分してもらえると思っていたのに、「持ち帰り不可」と言われるケース。
産業廃棄物扱いのもの(家電・マットレスなど)は、専門業者への依頼が必要になる場合もあります。 - 家具の配置・設置をしてもらえなかった
運び入れまでで終了するプランでは、設置位置の調整や組み立ては利用者が行う必要があります。
なぜサービス内容が合わないトラブルが起きるのか
- プラン名が似ているため誤解しやすい
「スタンダード」「おまかせ」「らくらく」など、各社で名称は似ていても内容が異なる。
例えば「おまかせプラン」と言っても、ある会社では梱包込み、別の会社では運搬のみということも。 - ネット見積もりでは詳細が省略されている
料金シミュレーターなどでは、実際の作業内容が簡略表示されており、細部が分かりにくい。 - 営業担当の説明不足・確認漏れ
契約時に「含まれていない作業」を説明しないまま契約してしまうケースもあります。
【防ぐためのポイント】
- サービス範囲を一覧で比較する
各プランで「どこまでが基本料金に含まれているか」を表で整理すると分かりやすいです。
例)荷造り/開梱/エアコン取り外し/資材提供/不用品処分/家具設置 など。 - 見積もり時に具体的に質問する
「荷造りはどこまで対応ですか?」「洗濯機の設置も含まれますか?」など、あいまいにせず確認。
曖昧な回答の場合は、他社と比較検討しましょう。 - 契約前に見積書の「作業内容欄」を確認
作業範囲・オプション・有料項目などを文書で明記してもらうことで、後日の言い分の違いを防げます。 - 不用品・家電など特殊作業は別途見積もりを依頼
「運べる・運べない」「処分可・不可」など、事前に確認しておくと安心です。
【注意点】
- 格安プランや単身パックは、あくまで「必要最小限の運搬サービス」であることを理解しておく
- 家族引越し・長距離引越しでは、オプション込みで見積もると結果的にコスパが良いことも
- 口コミで「サービス内容が想定と違った」との声が多い業者は避ける
よくある失敗4:スケジュールが合わなかった
引越しは「いつ・どの時間帯に・どの順番で」行うかによって、費用・作業効率・満足度が大きく変わります。
ところが、引越し業者とのスケジュール調整を甘く見てしまい、「希望日が取れない」「当日バタバタ」「新居への搬入が間に合わない」といったトラブルに発展することも少なくありません。
ここでは、スケジュール調整にまつわる典型的な失敗と、失敗を避けるための実践ポイントを紹介します。
- 希望日の予約が取れなかった
3月〜4月の繁忙期や、土日・大安など人気日の予約は数週間〜1か月前に埋まることも。
結果として、予定より高い日程・時間帯で引越しせざるを得なくなるケースが多いです。 - 午前・午後の指定ができず、待ち時間が長引いた
「時間指定なしのフリー便」を選ぶと、業者のスケジュール次第で作業開始が午後遅くになることも。
立ち会い時間が読めず、1日まるまる拘束されるケースがあります。 - 新居の入居日と退去日がずれてしまった
旧居の退去日が早く、新居の入居が間に合わず、一時的に荷物を預ける羽目に。
倉庫保管費や宿泊費が追加で発生することもあります。 - 引越し当日に予定が重なった
電気・ガスの立ち会いや役所手続きと引越し作業が重なり、どちらも中途半端になってしまう例もあります。 - 交通事情・天候による遅延
長距離引越しや大型トラック利用の場合、渋滞や悪天候で搬入が夜遅くにずれ込むことがあります。
なぜスケジュールが合わなくなるのか
- 見積もり依頼が遅すぎる
特に繁忙期(2〜4月)は、見積もり段階で既に予約が埋まっていることも。
「1か月前なら余裕」と思っていると、希望日が取れません。 - スケジュールを業者任せにしている
業者の都合で「この時間しか空いていません」と言われ、妥協してしまうケース。
予定を優先せずに合わせてしまうと、後で生活リズムが崩れます。 - 引越し作業と他の予定を同日に入れてしまう
ガス開栓、役所手続き、掃除など、引越し関連の作業を同日に詰め込みすぎると、対応しきれません。
スケジュールトラブルを防ぐための対策
- 早めの見積もり依頼が鉄則
- 理想は引越し予定日の1〜2か月前に複数社へ見積もりを依頼。
- 特に3月中旬〜4月上旬は最も混雑するため、2月初旬には動き出すのがベストです。
- 「午前便」「午後便」「フリー便」の違いを理解する
- 午前便:最も人気。料金は高めだが時間が読みやすい。
- 午後便:やや安いが前作業の影響を受けやすい。
- フリー便:最安だが時間指定不可、拘束時間が長くなる可能性あり。
- 新居・旧居の日程を必ず確認する
- 退去日と入居日を1〜2日ずらす余裕を持つ。
- 管理会社・大家との立ち会いスケジュールも早めに調整。
- 天候や交通状況も考慮する
- 雨天時の搬出入には時間がかかるため、予備日を設定しておく。
- 遠距離引越しの場合、翌日搬入の可能性を事前に確認。
- 引越し当日の流れをシミュレーションする
- 荷物搬出 → 清掃 → 退去立ち会い → 新居搬入の順番を時系列で整理。
- 立ち会いに必要な時間(特にガス・電気)は事前予約しておく。
【注意点】
- 「午前便」でも、前の現場が長引くと遅れる可能性はある
- 繁忙期のキャンセルや変更にはキャンセル料が発生することがある
- 時間指定の有料オプションを付けることで、当日の混乱を防げる
よくある失敗5:サポート体制が不十分だった
引越しは「作業が終わったらそれで完了」と思いがちですが、実は引越し後のサポート体制こそが業者選びの重要なポイントです。
作業中のトラブルや、搬入後に気づいた破損・紛失・設置ミスなどが発生した際、業者の対応が遅い・不誠実だと大きなストレスになります。
ここでは、サポート体制が整っていない業者を選んでしまったことで起きる典型的な失敗例と、その防止策を詳しく解説します。
- 破損・汚損に対して対応が遅い/補償されない
「搬入後に家具が傷ついていた」「壁にへこみがあった」と報告しても、返答が遅れたり、責任を認めないケース。
写真や証拠を求められたまま連絡が途絶えることもあります。 - 問い合わせ窓口がつながらない/担当者不在が多い
コールセンターの対応が限定的だったり、現場責任者に直接連絡できない体制のため、問題解決まで時間がかかることがあります。 - クレーム対応が不誠実だった
「現場では問題なかった」「作業中に立ち会わなかった」と責任を回避されることも。
中には「修理は自費で」と言われ、泣き寝入りするケースも見られます。 - アフターサポートの案内がなかった
家電や家具の設置後不具合が出ても、「対応期間が過ぎました」として断られることがあります。
なぜサポート体制が不十分になるのか
- 人員・拠点の少ない中小業者では対応が追いつかない
引越し後の問い合わせ窓口を設けていない業者も多く、現場スタッフ頼みになりがちです。 - 繁忙期は問い合わせが集中している
3〜4月の繁忙期には、トラブル対応や電話窓口が混雑し、連絡が遅れる傾向があります。 - 下請け・委託業者の場合、責任の所在が曖昧
作業を委託している業者では、「どこが責任を取るのか」が不明確になりやすいです。
【サポート体制を見抜くチェックポイント】
- 補償制度・保険の有無を確認する
- 「基本補償」が含まれているか、金額上限(例:1品につき20万円など)を確認。
- 明確な保険名(例:運送保険・家財保険)が記載されているかをチェック。
- 問い合わせ窓口の明確さ
- 営業時間・電話番号・メール対応時間を確認。
- 担当者直通連絡先があるかどうかで、対応のスピードが変わります。
- 契約書や見積書に「補償条件」が明記されているか
- 「作業中」「運搬中」「搬入後」など、いつの破損まで対象か確認。
- 文書で残っていない場合、後から主張しても認められにくいです。
- 口コミで「対応スピード」「誠実さ」をチェック
- 実際の利用者が「トラブル時も迅速だった」と評価している業者は信頼できます。
- 「連絡が取れない」「たらい回しになった」との声が多い業者は要注意。
事前にできる防止策
- 作業前に写真で家具・家電の状態を記録
トラブル発生時に「元からあった傷かどうか」を証明するために有効です。 - 作業終了時にスタッフと一緒にチェック
家具・床・壁・ドアの確認を行い、異常があればその場で報告・記録。 - 補償対象を契約前に明文化
「搬出入時の破損は補償されるか」「搬入後の破損も対象か」を確認し、書面に残すこと。 - アフターサポート窓口の連絡先をメモしておく
引越し後に気づく不具合にも、すぐに連絡できるようにしておく。
【注意点】
- 安さ重視の業者ほど、補償・サポート体制が簡素な傾向がある
- 「保険あり」と記載されていても、実際は補償金額が低い場合がある
- 請求期限(例:引越し後7日以内)を過ぎると補償対象外になることもある
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