複数見積もりで料金交渉も！お得に引越す方法

引越しは人生の大きな節目であり、費用も決して安くはありません。しかし、同じ条件でも業者によって金額が大きく異なることがあります。

そこで重要になるのが「複数見積もり」と「料金交渉」です。これらを上手に活用することで、数万円単位で引越し費用を節約することが可能です。

複数見積もりの重要性

引越しの費用は、同じ条件でも業者によって大きく異なることがあります。そのため、複数の引越し業者から見積もりを取ることは、節約の第一歩です。

ここでは、なぜ複数見積もりが重要なのかを具体的に解説します。

1. 料金の相場を知ることができる

引越し料金には「明確な定価」が存在しません。業者ごとに料金体系や割引条件が異なり、距離・荷物量・時期などによって金額が大きく変わります。

そのため、1社だけに見積もりを依頼すると、提示された金額が「高いのか安いのか」が分かりません。

しかし、3社〜5社から見積もりを取ることで、「自分の引越し条件での適正価格」が見えてきます。

たとえば、以下のような比較ができます。

• A社：8万円
• B社：9万5千円
• C社：7万円

このように複数の金額を見比べることで、相場を把握しやすくなり、「安い業者」を選ぶための判断基準が得られます。

2. 値下げ交渉の材料になる

複数の見積もりを持っていると、他社の金額を引き合いに出して交渉できます。例えば、「他の業者では7万円でしたが、御社ではどのくらいになりますか？」と伝えるだけで、値引きの提案をしてくれる業者は多くあります。

これは、業者側も他社との競合を意識しているためです。「ほかに負けたくない」という心理が働くため、1〜2万円の値引きが実現することも珍しくありません。

3. サービス内容の比較ができる

料金だけでなく、サービス内容にも差があります。たとえば、同じ金額でも以下のような違いが見られることがあります。

• ダンボールの無料提供数
• 梱包・開梱サービスの有無
• 家具・家電の養生（保護）対応
• 損害保険の補償額

4. ぼったくりや不当請求を防げる

1社だけに依頼すると、相場を知らないまま契約してしまい、後から「実は高かった」と気づくケースもあります。

複数見積もりを取ることで、極端に高い業者や不明瞭な料金体系の業者を避けることができます。

5. 信頼できる業者を見極めやすい

見積もり対応の段階で、担当者の対応力や説明の丁寧さを確認できます。

• 見積もり内容を詳しく説明してくれるか
• 質問に対して明確に答えてくれるか
• 契約を急がせないか

これらを比較することで、単なる価格だけでなく、「信頼できる業者かどうか」も見極めることが可能です。

見積もりの取り方

引越し料金を少しでも安くするためには、正しい方法で複数見積もりを取ることが大切です。見積もりの取り方ひとつで、最終的な料金やサービス内容が大きく変わります。

ここでは、具体的な手順と注意点を順を追って説明します。

1. 一括見積もりサイトを利用する

引越し業者を一社ずつ探して依頼するのは時間がかかります。そこで便利なのが「引越し一括見積もりサイト」です。一度条件を入力するだけで、複数の引越し業者に同時に見積もり依頼を送ることができます。

これにより、短時間で複数社の金額や対応を比較できるようになります。代表的な一括見積もりサイトでは、全国の大手から地域密着型の業者まで幅広く紹介してもらえるのが特徴です。

利用時のポイント：

• 住所・荷物量・希望日を正確に入力する
• 「連絡はメールで希望」と書いておく（電話が多くなるのを防ぐ）
• 同条件で依頼する（公平に比較できる）

2. 見積もり方法を選ぶ

引越しの見積もりには、大きく分けて2つの方法があります。

(1) 訪問見積もり

業者が実際に自宅を訪問し、荷物量や搬出経路などを確認して見積もりを出す方法です。正確な料金を出すことができるため、ファミリーや荷物が多い場合におすすめです。

訪問見積もりの際のポイント：

• 荷物を隠さず、すべて見せる（後から追加料金を防ぐ）
• ダンボール・梱包サービスなどの内容も確認する
• 他社にも見積もりを取っていることを伝える（値引き交渉の布石）

(2) オンライン・電話見積もり

最近では、写真や動画を送るだけで見積もりができる業者も増えています。一人暮らしや荷物が少ない場合はこちらで十分です。

3. 同じ条件で比較する

見積もりを取る際には、各社に同じ条件を伝えることが重要です。条件が異なると、見積もり金額を正しく比較できません。

具体的に伝えるべき項目：

• 引越し予定日（第1希望・第2希望も）
• 現住所と新住所
• 荷物の量（家具・家電の種類や大きさ）
• 建物の階数、エレベーターの有無
• 駐車スペースの有無
• 希望するオプション（梱包、エアコン取り外し、養生など）

4. 複数社の見積もり結果を比較する

見積もりを取ったら、金額だけでなく総合的に比較することが大切です。

比較すべきポイント：

• 見積もり金額（基本料金＋オプション料金）
• 作業内容（梱包・搬入・設置など）
• ダンボールや資材の提供の有無
• スタッフの対応（説明の丁寧さ、対応スピード）
• 保険・補償内容

金額が安くても、サービスが不十分な場合はトラブルにつながることもあります。単純な「安さ」よりも、「費用とサービスのバランス」で判断するのがポイントです。

料金を下げる交渉テクニック

引越し費用は「交渉次第」で数万円安くなることがあります。同じ条件でも、上手に話すだけで1〜3万円、場合によっては5万円以上安くなるケースも珍しくありません。

ここでは、引越し業者とのやり取りで効果的な値下げ交渉のコツを紹介します。

1. 他社の見積もりを提示する

最も基本で、かつ効果的な方法が「他社の見積もりを交渉材料に使う」ことです。

やり方のポイント

• 必ず「書面」または「メール」で見積もりをもらう
• 他社より安い金額を出している業者に「他ではこの金額でした」と伝える
• 嘘の金額は伝えない（業者同士は相場を把握している）

2. 日程の柔軟性をアピールする

引越し業者は日によって混み具合が大きく異なります。繁忙期（3月〜4月上旬や週末・月末）は高く、閑散期（5月〜2月、平日や中旬）は比較的安くなる傾向があります。

交渉のコツ

• 「日程は業者さんの空いている日に合わせます」と伝える
• 「午後でも構いません」と言う（午前便より午後便が安い）
• 「混載便で構いません」と伝える（他の引越しと同時運搬で安くなる）

3. 不要なオプションを外す

引越し見積もりには、さまざまなオプションが含まれていることがあります。しかし、すべてが必要とは限りません。

よくあるオプション項目

• エアコン取り外し・設置
• 不用品回収
• 荷造り・荷解き代行
• 家具や家電の梱包サービス
• ダンボール・ガムテープの提供

4. 作業スタッフの人数を調整する

作業員の人数も料金に影響します。荷物が少ない場合は「作業員を2人ではなく1人にできませんか？」と相談してみましょう。

また、「時間がかかっても構わない」と伝えることで、人件費を抑えたプランに切り替えてくれる場合もあります。

5. 「即決割引」は一度保留する

見積もり時に「今決めてくれたら安くします」と言われることがあります。この「即決割」は魅力的に見えますが、実は注意が必要です。即決を迫る業者は、他社と比較させないようにしている可能性があります。

その場では「他社の見積もりを見てから判断します」と伝えましょう。後日、他社の金額をもとに再交渉したほうが、結果的により安くなるケースが多いです。

6. 時期をずらす

引越し費用は、時期によって大きく変動します。

高い時期

• 3月〜4月上旬（新生活シーズン）
• 月末・週末

安い時期

• 5月〜2月（特に6月・9月・11月）
• 平日・中旬

もしスケジュールに余裕があるなら、繁忙期を避けて予約すると、最初から2〜3割ほど安い見積もりが出ることもあります。

7. 支払い方法・現金割引を確認する

一部の業者では、現金払い割引や早期予約割引を実施している場合があります。契約前に「現金払いの場合、安くなりますか？」と確認してみましょう。

また、クレジットカード決済や電子マネー対応なども確認しておくと、ポイント還元を活用できる場合もあります。

8. 複数社を比較した上で最終交渉する

最初に見積もりを出してもらった段階で即決せず、複数社の金額を比較して「最終交渉」を行うのが効果的です。

最後にこう伝えると良いでしょう。「他社では6万8千円でした。御社で6万5千円にしてもらえたら決めます。」

このように、具体的な金額と“決める意思”を伝えることがポイントです。業者としても成約を逃したくないため、値下げ交渉が成功しやすくなります。

9. 値下げ交渉の基本マナー

値引きをお願いする際は、礼儀正しく丁寧に話すことが大切です。強気な態度よりも、柔らかく誠実な姿勢のほうが成功率は高くなります。

• 「なるべく安くお願いしたいのですが…」
• 「予算が〇万円以内なのですが、調整は可能でしょうか？」

このような言い方で十分効果があります。感謝の言葉を添えることで、担当者の印象も良くなります。

即決を避ける

引越しの見積もりを依頼すると、多くの業者がその場で契約を迫ってくることがあります。

「今日決めてくれたらこの価格で」
「今だけの特別割引です」

といった言葉は一見お得に聞こえますが、実際には注意が必要です。引越し費用を適正に抑えるためには、即決せず、一度持ち帰って比較することが非常に大切です。

1. なぜ即決してはいけないのか

① 比較検討の機会を失う

一社だけの見積もりで即決すると、他社の条件や料金を知る前に契約してしまうことになります。引越し料金は業者ごとに差が大きく、同じ条件でも数万円の違いが出ることがあります。

即決してしまうと、「後からもっと安い業者が見つかった」「他社は同じ金額で梱包サービスまで付いていた」というような後悔につながるケースも多いです。

② 「即決割引」は見せかけの場合がある

「今決めてくれたら1万円引きます」といった“即決割”は、実際には最初から割引前提の金額を提示している場合もあります。

つまり、もともと高めに設定しておいて、「今だけ安くします」と見せているだけのケースもあります。そのため、他社と比較せずにその場で契約するのは危険です。

③ 契約後のキャンセルが面倒になる

契約してしまうと、キャンセル料が発生する場合があります。引越し業界では、契約後のキャンセルには最大で20％の手数料がかかることもあります。

一度即決してしまうと、気軽に他社に乗り換えにくくなるため、慎重に判断する必要があります。

2. 即決を避けるための上手な対応方法

① 「他社にも見積もりをお願いしている」と伝える

営業担当者は「今日決めてほしい」と言ってきますが、「他社の見積もりも比較してから決めたい」と伝えれば、強く押し切られることはありません。

② 即決しなくても割引が残ることが多い

「今日だけの価格です」と言われても、実際には翌日以降でも同じ値段で対応してくれることが多いです。

営業担当者も成約を逃したくないため、「他社は〇〇円でした」と後から連絡すれば再び値下げに応じてくれることがあります。

3. 即決しない方が結果的に安くなる理由

複数の見積もりを比較したうえで、再度業者に連絡すると、「他社の価格に合わせます」「さらに5,000円引きでどうですか？」といった提案を受けることが多いです。

つまり、一度持ち帰って比較すること自体が、値下げ交渉の材料になります。最初の提示価格をそのまま受け入れるよりも、後から交渉するほうが安くなる傾向があります。

さらに節約するための工夫

複数見積もりや料金交渉である程度費用を抑えられても、ちょっとした工夫を加えることで、さらに1〜3万円以上安くすることができます。

ここでは、実践しやすく、かつ確実に効果のある節約のポイントをまとめました。

1. 引越し時期と時間帯を工夫する

引越し料金は「時期」「曜日」「時間帯」によって大きく変動します。業者の繁忙状況に合わせることで、大幅な割引が期待できます。

安くなるタイミング

• 5月〜2月の間（特に6月・9月・11月が狙い目）
• 平日（月〜木）
• 月の中旬（10〜20日頃）
• 午後便・フリー便

「フリー便」とは、業者の空き時間に合わせて作業するプランで、通常より安くなります。「時間は業者さんにお任せで構いません」と伝えるだけで、数千円〜1万円程度の割引が受けられることもあります。

2. 荷物を減らす

引越し料金は「運ぶ荷物の量」で決まるため、荷物を減らすことが最も確実な節約方法です。

効果的な方法

• 不要な家具・家電はリサイクルショップで売る
• 衣類や雑貨はフリマアプリ（メルカリ・ラクマなど）で処分
• 使わない段ボールや古本はリサイクルに出す
• 一部を実家やトランクルームに預ける

特に大型家具や家電は運搬コストが高いため、「買い替えを前提に処分して現地で新調する」ほうが結果的に安くなる場合もあります。

3. 自分でできる作業は自分で行う

業者にすべてを任せると便利ですが、その分費用もかかります。できる範囲の作業を自分で行えば、人件費やオプション代を削減できます。

例えば、段ボールを自分で調達するだけで1,000〜2,000円、荷造りを自分で行えば5,000円〜1万円ほど節約できます。

4. 混載便・帰り便を利用する

「混載便」や「帰り便」を選ぶと、トラックの効率的な利用によって費用を抑えられます。

• 混載便：他の人の荷物と同じトラックで運ぶプラン。
  → 作業時間が指定できない代わりに、通常より安くなる。
• 帰り便：他の引越しで使ったトラックが帰り道に自分の荷物を運ぶプラン。
  → 長距離引越しで特に効果的。通常の半額程度になることも。

ただし、混載便は到着時間の指定ができないため、時間に余裕のある人向けです。

5. 不用品回収を業者に任せない

引越し業者に不用品処分を依頼すると、便利な反面、費用が割高になる傾向があります。処分品の量が多い場合は、専門のリサイクル業者や自治体の粗大ごみ回収を利用したほうが安く済みます。

あらかじめ自治体の回収日を調べておくことで、無駄な出費を防げます。

6. 友人・家族の協力を得る

荷造りや荷解き、軽い荷物の運搬などは、家族や友人の協力を得ることで節約できます。

業者に依頼するよりも時間はかかりますが、特に近距離の引越しでは、小型車やレンタカーを使って自力で運搬するのも有効です。

レンタカー利用時の目安：

• 軽トラック1日レンタル：5,000〜7,000円程度
• ガソリン代を含めても1万円以下で済むことが多い

7. 早めに予約する

引越しの予約は早ければ早いほど、安くなりやすいです。特に繁忙期前（1〜2月や9月）に予約すると、「早期割引」「スケジュール調整割引」などの特典が適用されることがあります。

遅くなるほどトラックや人員が埋まり、「高いプランしか残っていない」という状況になりやすいので注意が必要です。

8. 支払い方法や割引制度を確認する

業者によっては、支払い方法や条件によって割引が受けられる場合があります。

• 現金払い割引
• 平日限定割引
• ネット申込割引
• ポイントサイト経由での申込み特典

9. 見積もり時に「予算」を伝える

見積もりの段階で「〇万円以内に抑えたい」と伝えることで、業者が予算に合わせた最適なプランを提案してくれることがあります。

ただし、「安くしてください」と漠然と伝えるよりも、「7万円以内で検討しています」など、具体的な金額を示すことがポイントです。

10. 引越し後の費用も見直す

引越し本体の料金だけでなく、関連費用を抑えることでも節約につながります。

• 電気・ガス・ネットなどの契約を見直す
• 新居での家具や家電をリサイクルショップで購入
• 引越し後の不要品を売って費用を回収