引越しの見積もりを取った際に、「思っていたより高い」と感じたことはありませんか。実は、引越し料金は“交渉次第”で値下げできることが多く、上手に進めれば数万円単位で安くなることもあります。
ここでは、実際に値下げに成功した事例と、交渉のコツ、さらに参考になる「モデル会話例」を紹介します。これを読めば、初めてでも安心して料金交渉ができるようになります。
1. 実際に値下げされた事例
- 引越し内容:単身引越し(同一市内)
- 初回見積もり:85,000円
- 他社比較:A社78,000円、B社80,000円
- 結果:交渉で最終的に75,000円に
- 他社の見積もりを提示して「もう少し下げられますか?」と率直に相談
- 即決の意思を見せたことで値下げがスムーズに進んだ
「本日中に決めたいのですが、他社が7万円台で出していて迷っています」
この一言が決め手になり、最終見積もりで1万円値下げ。
- 引越し内容:3人家族、県外への引越し(約150km)
- 初回見積もり:180,000円
- 交渉結果:160,000円で決定
- 「他社は160,000円程度で提示されています」と他の見積もりを引き合いに出す
- 平日・午後便を希望して、コストを抑える形で折り合いをつけた
「日程を平日にずらせば、この価格でお願いできます」と提案され、2万円引きに成功。
- 引越し内容:学生の一人暮らし(近距離)
- 初回見積もり:45,000円+オプション3,000円(ダンボール回収など)
- 結果:合計48,000円 → 45,000円でオプション無料
- 「料金はそのままでいいので、オプションをサービスしてもらえませんか?」と提案
- 値引きではなく“サービス付加”で交渉が成立
金額が下がらなくても、サービス追加という形で実質値下げが可能。
【値下げ交渉を成功させるためのポイント】
引越し業者との交渉では、ただ「安くしてほしい」と言うだけでは効果が薄いです。以下のコツを意識することで、交渉成功率が大きく上がります。
● 相見積もりを取る
複数業者の見積もりを比較して交渉材料にする。「他社では○万円でした」と具体的な数字を出すと説得力が増します。
● 即決の姿勢を見せる
「この金額ならすぐに決めます」と伝えることで、値引きが通りやすくなります。業者側も即契約が見込める顧客には柔軟に対応します。
● 日程や条件を譲る
- 平日
- 午後便(時間指定なし)
- 繁忙期(3〜4月)を避ける
こうした条件を提示すれば、業者側もコストを抑えられるため、値引きに応じやすいです。
● サービス面での交渉も効果的
値引きが難しい場合は、次のような「実質無料サービス」をお願いしてみましょう。
- 段ボールやガムテープの無料提供
- ダンボール回収サービス
- 洗濯機や照明器具の取り付け
- 不用品の引き取り
値下げ交渉のモデル会話例
実際の交渉現場を想定した、わかりやすい会話例を紹介します。
状況:他社A社から「80,000円」の見積もりを提示された後、本命のB社が「90,000円」と提示。
あなた
「見積もりありがとうございます。実は他社さんからは8万円の見積もりをもらっていて、御社にお願いしたい気持ちはあるのですが、少し予算を超えてしまいまして…。」
業者
「なるほど、他社さんは8万円ですか。サービス内容はどのようなものでしたか?」
あなた
「同じような内容で、荷造りと運搬のみのプランでした。御社の方が信頼できる印象なので、同じ金額に近づけてもらえれば決めたいと思っています。」
業者
「承知しました。上司に確認してみますね……。本日即決いただけるなら、85,000円で対応させていただきます。」
あなた
「ありがとうございます。では85,000円でお願いしたいです。」
結果:
90,000円 → 85,000円(5,000円の値下げ成功)
- “即決”を条件に交渉したことで、担当者が動きやすくなった
- 他社比較を出して説得力を高めた
状況:初回見積もりが「20万円」。他社は「18万円」。
あなた
「20万円とのことですが、他社さんは18万円で提示されていました。御社の対応がとても丁寧なので、できればお願いしたいと思っています。」
業者
「ありがとうございます。18万円ですと少し厳しいですが、平日にしていただけるなら19万円で調整可能です。」
あなた
「ありがとうございます。ではその条件でお願いしたいです。あと、可能であれば段ボール回収も無料でお願いできますか?」
業者
「かしこまりました。段ボール回収は無料で対応いたします。」
結果:
20万円 → 19万円+段ボール回収無料
- 値引き+サービス付加で実質的に2万円分の得
- 「信頼している」という言葉が担当者のモチベーションを上げた
【交渉時の注意点】
- 強引な値下げ要求は避ける(印象が悪くなり、断られる可能性がある)
- 見積もり内容を正確に伝える(虚偽申告はトラブルの原因)
- 「口約束」ではなく、必ず書面やメールで残す
- 値引きよりも“全体のバランス”を重視する(サービス・日時・補償内容など)
相見積もりを取る
引越し費用をできるだけ安くしたいなら、まず最初に行うべきなのが 「相見積もり(あいみつもり)」 です。これは、複数の引越し業者から見積もりを取り、料金やサービス内容を比較することを指します。
多くの人が「どこに頼んでも大きな差はない」と思いがちですが、実際には、同じ条件でも業者によって数万円以上の差が出ることがあります。
ここでは、相見積もりの意味・具体的なやり方・注意点・効果的な交渉の使い方までを詳しく解説します。
1. 相見積もりとは?
相見積もりとは、同じ条件(荷物量・引越し日・距離など)で 複数の業者に見積もりを依頼し、料金・サービス内容を比較すること です。
目的は単に「一番安い業者を探す」ことではなく、
- 各社の料金設定やサービス内容の違いを把握する
- 自分に合った業者を見極める
- 交渉材料を手に入れる
この3つのメリットを得るためのものです。
2. 相見積もりを取るべき理由
(1)料金の相場が分かる
1社だけでは「高いのか安いのか」が判断できません。複数社から見積もりを取ることで、平均的な料金相場が明確になります。
(2)不透明な費用を見抜ける
業者によっては「基本料金+オプション」や「時間制」など、見積もりの構成が異なります。比較することで、どの部分が高いのか、どこに無駄があるのかが見えてきます。
(3)値引き交渉の材料になる
「他社では○万円でした」と具体的な金額を出すことで、担当者が価格調整をしやすくなり、実際に値下げされる可能性が高まります。
(4)サービス品質の差が分かる
価格だけでなく、対応スピード・説明の丁寧さ・補償内容・スタッフの印象なども比較することで、コスパの良い業者を選べるようになります。
3. 相見積もりの具体的な取り方
(1)依頼する業者数の目安
基本的には 3〜5社 程度を目安に見積もりを取るのが効果的です。1〜2社では比較が難しく、6社以上になると手間が増えすぎます。
(2)見積もり方法の種類
| 方法 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 訪問見積もり | スタッフが自宅を訪問して荷物量を確認し、正確な金額を提示 | 家族・荷物が多い人 |
| オンライン見積もり | 写真や動画を送って見積もる方法。訪問不要でスピーディ | 忙しい人・単身者 |
| 一括見積もりサイト | 複数業者に一度で見積もり依頼できる便利な方法 | 相場をすぐ知りたい人 |
おすすめの進め方:
まず一括見積もりで3〜5社を選定し、その中から本命候補を2〜3社に絞って詳細見積もりを依頼します。
(3)見積もり時に伝えるべき内容
正確な比較をするためには、どの業者にも同じ条件を伝えることが大切です。
伝えるべき主な項目:
- 引越し予定日・希望時間帯
- 現住所と新居の住所(距離・階数)
- 荷物の量・大きさ
- オプション(梱包、荷解き、エアコン取り外しなど)の有無
- 希望するサービス範囲
これらを統一することで、公平な比較が可能になります。
【効果的な比較ポイント】
相見積もりを取った後は、単純に「金額が安い業者」を選ぶのではなく、以下の観点で総合的に判断します。
- 料金総額(基本料金+オプション)
- サービス内容(梱包・開梱・設置・補償など)
- スタッフ対応(説明の丁寧さ・柔軟な姿勢)
- 作業スピード・正確さ
- 口コミ・評判(トラブルの少なさ・顧客満足度)
「安さ」と「安心感」を両立できる業者を選ぶのがポイントです。
4. 相見積もりを活用した値下げ交渉の進め方
相見積もりの真の目的は、単に価格を比べるだけではなく、交渉材料にすることです。
以下の手順で交渉を進めると効果的です。
(1)他社見積もりを提示する
「他社では○万円でした」と具体的な金額を伝えましょう。
ただし、過剰な値下げ要求(例:「半額にしてほしい」など)は避けるのがマナーです。
(2)「即決」の姿勢を見せる
「この金額なら今日決めます」と伝えると、担当者が上司に相談しやすくなり、即日割引が出るケースもあります。
(3)条件を譲る姿勢を見せる
「平日でもOK」「午後便で大丈夫」など、業者の都合に合わせる姿勢を見せると、割引を引き出しやすくなります。
(4)値引き以外の提案も受け入れる
値下げが難しい場合、「ダンボール無料」や「洗濯機設置無料」など、サービス追加型の交渉に切り替えると良い結果につながることがあります。
【相見積もり時の注意点】
相見積もりを取る際には、次の点に注意してください。
- 同じ条件で依頼する(条件が違うと正確に比較できない)
- 「他社の名前」を出しすぎない(信頼を損なう場合がある)
- しつこい電話営業を避けるために、連絡方法を指定する
- 最安値だけで即決しない(安すぎる業者はサービスや補償に不安がある)
【相見積もりのタイミングとコツ】
- 1か月前〜2週間前が最も良いタイミング。
→ 繁忙期前なら予約枠も多く、料金交渉がしやすい。 - 依頼は同日にまとめて行うことで、条件が公平に比較できる。
- 見積もり時は「他社も検討中です」と伝えるのがポイント。
→ 競合意識を高め、値下げ提案を引き出しやすくなる。
【相見積もりで得られる最大のメリット】
- 業者ごとの価格の差が明確にわかる
- 値引き交渉がしやすくなる
- 信頼できる業者を選びやすくなる
- サービスの相場感を理解できる
相見積もりは「安くするためのテクニック」だけでなく、「安心して任せられる業者を選ぶための手段」でもあります。
引越しをスムーズに、かつお得に進めたいなら、まずはこの相見積もりを確実に行うことが成功の第一歩です。
即決の姿勢を見せる
引越しの料金交渉で最も効果的な方法のひとつが、「この金額ならすぐに契約します」という“即決の姿勢”を見せることです。
業者にとって「今すぐ契約が決まるお客様」は非常に魅力的な存在。そのため、即決を匂わせるだけでも値引き交渉がスムーズに進みやすくなります。
ここでは、即決姿勢がなぜ効果的なのか、実際にどう伝えるべきか、また注意すべき点を詳しく解説します。
1. 即決の姿勢がなぜ有効なのか
引越し業者は日々多くの見積もりを出していますが、そのうち実際に契約につながる割合(成約率)は3〜4割程度にとどまると言われています。
つまり、業者にとって「今この場で契約が決まる」というのは大きなメリット。このため、次のような心理と事情から「即決顧客」には値引き対応がしやすくなるのです。
業者側の心理的メリット
- 成約率が上がるため、営業担当者が積極的に値下げを検討する
- 「他社に取られないようにしたい」という意識が働く
- 交渉が長引かないので、他の案件に時間を割ける
経営的なメリット
- 見積もり訪問や営業コストを削減できる
- 早期契約でトラックやスタッフのスケジュールを確定できる
- 空き枠を埋められることで収益が安定する
その結果、「即決してくれるなら、この金額まで下げます」
という提案が出やすくなります。
2. 即決交渉の基本的な流れ
以下は、実際に業者との見積もり時に「即決姿勢」を見せて値下げを引き出す流れです。
(1)まずは通常の見積もりを聞く
最初に見積もり額を提示してもらいます。
この段階では焦らず、「ありがとうございます。検討させてください」と一度受け止めます。
(2)他社の見積もりや希望金額を伝える
「他社では○万円でした」「予算は△万円までにしたい」と、他社比較や希望額を明確に伝えます。
(3)即決を条件に交渉する
そして、次のように伝えることで交渉効果が一気に上がります。
「もしこの金額にしていただけるなら、今日ここで決めます」
「○万円まで下がるなら、すぐに契約したいと思っています」
業者は「契約が決まるチャンス」と判断し、上司に値下げ相談を持ちかけることが多いです。
(4)上司確認 → 値下げ提案
営業担当者は上司や本部に「即決なら〇万円まで下げても良いか」と相談し、その場で新しい見積もり金額を提示するケースが多く見られます。
(5)即決で契約成立
希望額または納得できる金額になったら、「それでお願いします」と即答します。
その場で契約が成立し、結果的にスムーズに値引き交渉が成功します。
以下のような言葉を使うと、営業担当者に“本気度”が伝わります。
- 「今ここで決めるつもりです。〇万円でお願いできませんか?」
- 「今日決める予定なので、ベストの価格を出してもらえませんか?」
- 「即決を条件に、もう少しだけ頑張っていただけませんか?」
- 「御社でお願いしたい気持ちはあります。あとは金額次第です。」
これらのフレーズは、「他社と迷っているが、今この場で決める気がある」という印象を与え、営業担当者の“勝負スイッチ”を押すことができます。
3. 即決姿勢を見せるタイミング
即決を示すタイミングも重要です。
- 最初に伝えないこと
→ 交渉前に「今日決めます」と言ってしまうと、値下げの余地がなくなります。 - 見積もり額を聞いてから伝える
→ 金額を見て「もう少し下がるなら今決めます」と伝えるのがベスト。 - 最後のひと押しに使う
→ 「ここまで頑張ってくれたなら決めます」という使い方が自然で効果的です。
4. 即決交渉の成功事例
- 初回見積もり:90,000円
- 他社比較:82,000円
- 交渉内容:「8万円台なら今日契約します」
- 結果:85,000円で即決
→ 営業担当が「上司に確認してきます」と席を外し、 数分後に希望に近い金額を提示して契約成立。
- 初回見積もり:180,000円
- 交渉内容:「170,000円なら即決します」
- 結果:料金は据え置きだが、エアコン取り外し無料に変更
→ 値下げは難しい時期だったが、即決姿勢が評価され、 実質的に1万円以上のサービス追加となった。
【即決交渉の注意点】
即決交渉は強力な武器ですが、使い方を誤ると逆効果になることもあります。
● 注意1:最初から「即決します」と言わない
交渉材料がなくなり、業者が値引きをしなくなる可能性があります。
あくまで「金額次第で即決する」スタンスを保ちましょう。
● 注意2:安易に即決しない
納得できない条件で焦って決めるのはNG。
複数社の見積もりを確認してから判断するのが原則です。
● 注意3:即決後はキャンセルしない
一度「即決で契約します」と言って契約した後にキャンセルすると、キャンセル料が発生する場合があります。慎重に判断を。
【即決姿勢を見せるメリットまとめ】
- 担当者が「成約チャンス」と捉え、上司に値引き交渉をかけやすくなる
- その場で金額調整やサービス追加が行われやすい
- 交渉がスムーズになり、他社より優先的に対応してもらえる
【即決交渉を活かすコツ】
- 他社の見積もりを持っておく(比較材料を示す)
- 希望金額を具体的に伝える(例:「8万円以内なら即決します」)
- 誠実な態度で話す(高圧的ではなく「お願いベース」で)
- 即決できる準備を整えておく(日程・金額・条件を家族と共有しておく)
日程や条件を譲る
引越し料金を安くするためには、「日程」や「条件」を業者側に合わせる柔軟さがとても大切です。
なぜなら、引越し料金は「固定価格」ではなく、需要と供給によって大きく変動する“変動制”の料金体系だからです。
同じ距離・荷物量でも、日程や時間帯を少し変えるだけで、1〜3万円以上の差が出ることも珍しくありません。
ここでは、「日程・条件を譲る」ことでどれほど安くなるのか、その具体的な方法・交渉のコツ・注意点を詳しく解説します。
1. 日程を譲るとは?
引越し業者には、予約が集中する「高需要日」と、比較的空いている「閑散日」があります。
日程を業者側の空きに合わせて調整することで、スケジュールの隙間を埋めたい業者の“割安価格”を狙えるのです。
料金が安くなる日程の傾向
| 区分 | 特徴 | 料金の目安 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| 繁忙期(3〜4月) | 新生活シーズンで最も高い | 通常の1.5〜2倍 | × 高額 |
| 中間期(5〜7月/9〜11月) | 比較的落ち着いた時期 | 通常価格〜10%安 | ○ |
| 閑散期(6月・10月・12月〜2月) | 業者が空きやすく、値引きしやすい | 最大30%安 | ◎ 激安 |
特に、「6月・10月・1月」は引越し件数が少なく、「スケジュールを埋めたい業者」が多いため、最も交渉がしやすい時期です。
2. 曜日を譲るだけでも値段は下がる
引越し料金は、平日と週末で大きく違います。
| 曜日 | 特徴 | 割引率の目安 |
|---|---|---|
| 土日・祝日 | 予約が集中しやすく高額 | 0〜+20%(割増) |
| 平日(月〜木) | 予約が空きやすく割安 | −10〜20%(割引) |
特に、火曜・水曜・木曜は引越し件数が少なく、「この日なら安くできます」と提示されることが多いです。
3. 時間帯を譲るとさらに安くなる
引越し業界では、同じ日に複数の現場を回る「時間帯指定制」が一般的です。時間を指定せず業者に任せることで、効率の良いスケジュールを組めるため、料金を下げてもらえるケースがあります。
| プラン | 特徴 | 料金の目安 |
|---|---|---|
| 午前便 | 一番人気。朝から作業できて時間に余裕あり | 通常料金〜+5,000円前後 |
| 午後便 | 午前の作業が終わり次第訪問。やや遅め | −3,000〜5,000円 |
| フリー便(時間おまかせ) | 業者が最適な時間に訪問。最安 | 最大1万円以上の値引き可 |
「時間指定なし(フリー便)」にすることで、スタッフの稼働効率が上がるため、最も値下げに応じてもらいやすくなります。
4. 条件を譲るとは?
「条件」とは、引越し業者が作業を行う上での制約・要望・サービス範囲のことです。
この条件を一部緩めるだけでも、料金は大きく下がります。
料金が下がりやすい条件の例
| 譲れる条件 | 効果 | 説明 |
|---|---|---|
| 荷造り・荷解きを自分で行う | −5,000〜20,000円 | 梱包サービスを外すことで人件費が削減される |
| 不要品の処分を自分で行う | −3,000〜10,000円 | 廃棄作業・運搬コストをカット |
| 梱包資材を自分で準備 | −1,000〜3,000円 | 業者からの資材提供費を削減 |
| エアコン取り外しを自分で手配 | −5,000〜8,000円 | 提携業者を使わない分安くなる |
| 引越し日を業者の空き枠に合わせる | 最大−30% | 業者側の空き日程でコスト調整できる |
「全部やってもらう」よりも「できることは自分でやる」という姿勢を見せると、その分だけ値引きが期待できます。
業者と交渉する際は、次のような言葉を使うと効果的です。
- 「平日でも構いません。安くなる日程はありますか?」
- 「時間はおまかせで大丈夫です。フリー便にするとお安くなりますか?」
- 「できるだけ費用を抑えたいので、条件を業者さんに合わせても問題ありません。」
- 「空いている日で最も安いプランを教えてください。」
このように、“業者の都合に合わせる姿勢”を見せることで、担当者が積極的に割引提案をしてくれる可能性が高まります。
5.日程・条件を譲って成功した実例
- 引越し内容:単身者(同市内)
- 当初見積もり:85,000円
- 交渉内容:「午後便で構いません」
- 結果:75,000円で契約成立
→ 午後の空き時間に合わせることで、トラックの効率が上がり、1万円の値下げに成功。
- 引越し内容:3人家族(県外)
- 当初見積もり:180,000円(土曜日指定)
- 交渉内容:「平日でも大丈夫です」
- 結果:160,000円に値下げ
→ 土日を外すだけで約11%の割引。平日の午前便に変更して大幅コストダウン。
- 引越し内容:夫婦2人(中距離)
- 当初見積もり:130,000円(梱包込み)
- 交渉内容:「荷造りは自分でやります」
- 結果:115,000円で契約
→ 梱包スタッフ分の人件費をカットし、結果的に15,000円の節約。
【注意点】
- 繁忙期(3〜4月)は日程を譲っても割引幅が小さい
→ 早めに予約を取らないと希望が通りにくい。 - フリー便は到着時間が読めない
→ 午後〜夜に作業になる可能性もあるため、スケジュールに余裕を持つ。 - 「できることは自分でやる」と言ったら本当に任せられる準備をしておく
→ 梱包や荷造りの遅れはトラブルのもと。
【日程・条件を譲ることで得られるメリット】
- 値下げ交渉がスムーズに進む
- 業者側のスケジュールに融通が利き、好印象を与えられる
- サービス品質はそのままで、費用だけを抑えられる
- 交渉時に「柔軟に対応できるお客様」として優先されやすい
【上手に譲るためのコツ】
- 最初から“絶対この日”と決めつけない
- 業者に「どの日が安いか」を聞いてみる
- 引越し日候補を2〜3日に広げておく
- 作業内容を自分で整理し、任せる範囲を明確にする
サービス面での交渉も効果的
引越し料金を安くしたいとき、ほとんどの人は「金額の値下げ交渉」を思い浮かべます。しかし、実際には金額を下げるだけが交渉ではありません。
多くの引越し業者は、直接の値引きが難しい場合でも、サービス内容の追加や無料化で柔軟に対応してくれることがあります。
つまり、「料金はそのままでも、実質的にコストを下げる」というのがこの交渉のポイントです。
ここでは、サービス面での交渉を上手に行う方法と、実際によく通る具体的なサービス例を詳しく紹介します。
1. なぜサービス面での交渉が効果的なのか
引越し業者にとって、料金の値下げは「利益の直接的な減少」を意味します。一方で、サービスの追加や無料化はコストが小さいため、交渉が通りやすいのです。
- 1万円の値引きよりも
- ダンボール無料提供+不要品回収サービス無料
といった形で「実質1万円分の得」を実現できるケースも多くあります。
また、値引き交渉に抵抗がある人でも、サービス面の提案なら柔らかく話しやすく、業者側も快く対応してくれることが多いのです。
2. サービス交渉で得しやすい項目
ここでは、実際に交渉で通りやすい代表的なサービスを紹介します。
| サービス内容 | 通常費用 | 交渉で無料になる可能性 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ダンボール・ガムテープの提供 | 数百円〜2,000円 | 高い | 業者が余っている資材を無料提供できる場合が多い |
| ダンボール回収サービス | 1,000〜3,000円 | 高い | 作業後に回収してもらえる。特に家族引越しで便利 |
| 家具・家電の設置(配線・設置) | 3,000〜10,000円 | 中〜高 | 洗濯機・冷蔵庫・照明などを設置してもらえる |
| エアコン取り外し・取り付け | 10,000〜20,000円 | 中 | 電気工事が必要だが、セット契約なら無料提案されることも |
| 不用品の回収 | 5,000〜15,000円 | 中 | 処分に困る大型家具や家電の引き取り |
| ハンガーボックス貸出 | 無料〜1,000円 | 非常に高い | 衣類を掛けたまま運べるボックス。多くの業者で無料交渉可 |
| 養生作業の強化(床・壁保護) | 3,000〜5,000円 | 中 | 丁寧さを重視する場合におすすめ |
| 掃除・片付けサービス | 数千円〜 | 中 | 引越し後の軽清掃などをお願いできる場合あり |
金額が大きくなくても、複数の無料サービスを組み合わせれば、合計で1〜2万円分の節約になることもあります。
3. サービス交渉の具体的な伝え方
交渉は「お願いベース」で柔らかく伝えるのが効果的です。以下のようなフレーズを活用してみましょう。
● ダンボール・資材関連
「ダンボールや梱包資材を無料で少し多めにいただくことは可能ですか?」
● 設置・回収系
「洗濯機の設置もお願いしたいのですが、料金に含めていただけますか?」
「引越し後の段ボール回収を無料で対応していただけると助かります。」
● 不用品処分
「不要になった家具の引き取りをお願いしたいのですが、 もし無料で可能なら御社にお願いしたいと思っています。」
「料金は他社とほぼ同じなので、 サービス面で少し融通を利かせていただけると決めやすいです。」
→ こうした“丁寧な相談”スタイルで話すと、担当者も「このお客様には頑張ろう」と思いやすくなります。
4. サービス交渉が通りやすいタイミング
サービス交渉は、見積もりの最終段階や契約直前に行うのがベストです。
- 見積もり提示後〜契約直前
→ 「あと少しサービスがあれば即決できます」と伝えると、担当者が上司に相談しやすい。 - 繁忙期を避ける(3〜4月以外)
→ 閑散期は業者が柔軟にサービスを追加しやすい。 - 即決交渉と併用する
→ 「このサービスが無料になるなら今日決めます」で効果倍増。
5. サービス交渉での成功事例
- 引越し内容:単身者(近距離)
- 当初見積もり:60,000円
- 交渉内容:「段ボールとテープを無料にしてもらえますか?」
- 結果:無料提供(2,000円相当)+見積もり据え置き
→ 「資材代を無料にできる範囲でサービスします」との回答。実質値引きに成功。
- 引越し内容:3人家族(中距離)
- 不用品:古いタンス・電子レンジ
- 当初見積もり:180,000円
- 交渉内容:「この家具の処分を無料でお願いできませんか?」
- 結果:引取無料(5,000円相当)
→ 「空きトラックで持ち帰れるので無料でOK」との回答。現金値引きなしでも実質5,000円得。
- 引越し内容:単身者(県外)
- 当初見積もり:85,000円+洗濯機設置料3,000円
- 交渉内容:「設置も込みでお願いできませんか?」
- 結果:設置料サービス(3,000円分)
→ 「今決めていただけるなら設置はサービスで入れます」と担当者が柔軟対応。
【サービス交渉の注意点】
- 過剰な要求は避ける
→ 「値引き+無料サービス+即決」はやりすぎると印象が悪くなる。 - 業者によってできる範囲が異なる
→ 不用品回収などは対応不可の会社もある。 - 口約束ではなく書面で確認する
→ 無料サービスが契約書に明記されているかを必ずチェック。
6. サービス交渉を効果的に使うコツ
- 値引き交渉と同時に行わない(段階的に提案する)
- 「もし難しいようなら、サービス面で調整できますか?」と切り替える
- 担当者を立てて丁寧に話す
- 最後の“即決カード”と組み合わせる
【サービス面の交渉がもたらすメリット】
- 実質的に数千〜数万円分の節約が可能
- 金額交渉よりも角が立たない
- 担当者の印象が良くなり、丁寧に対応してもらえる
- 契約後のサポートや融通も利きやすくなる
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